2012 Fiscal Year Research-status Report
失敗の経験に着目した大型船の操縦技術訓練方法の検討
Project/Area Number |
23651166
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
広野 康平 神戸大学, 海事科学研究科(研究院), 准教授 (80346288)
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Keywords | 安全工学 / 操縦技術 / 失敗経験 |
Research Abstract |
本研究では、船舶の操縦技術の向上に失敗経験を敢えてさせる環境として、人(訓練生)が実際に乗船して操縦する大型船を模したミニチュアモデルと大型船の操縦をサポートするタグボートのミニチュアモデルの製作し、これらを用いた訓練方法の構築と評価を目的としている。平成24年度においては、大型船モデルの構成部材を統合し、最終調整を図った。併せてタグボートモデルの製作に着手した。 <大型船モデルの概要> (1)対象船型・・・コンテナ船(垂線間長175m、幅25m、型深さ16m)(2)船体・・・スケール1/25(垂線間長7m、幅1m、型深さ64cm)(3)推進装置・・・水中駆動用の電動モータ(推力約30Kg)(4)姿勢制御装置①舵・・・並行ガイド上に設置したロッドアクチュエータによるレバー操作②スラスタ(横移動のため推力発生装置)・・・推進装置に同じ(5)位置計測装置・・・GPSコンパス <タグボートモデルの概要> (1)対象船型・・・特になし(大型船の船体に力をかけることが条件)(2)船体構造・・・プラスチックブロック(浮桟橋用)を連結して構成(3)要目・・・全長2.5m、幅1.5m、型深さ50cm(4)推進および姿勢制御装置・・・大型船モデルの推進装置と同じ水中駆動用の電動モータを2基並列し、推進と姿勢制御を一括して行う ※大型船モデルおよびタグボートモデルとも各構成部材の製作は完了したが、これらを統合する最終調整に至っていない。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
大型船モデルの最終調整において各構成部材(船体、推進装置、姿勢制御装置)を統合した状態での操縦制御において、マン・マシンインタフェース部分(人からの推力指示、舵角指示、スラスタ推力指示についての各アクチュエータからフィードバック)についての製作に時間を要している。 タグボートモデルの製作過程において、船体構成部材であるプラスチックブロックにおける電動モータの推力保持について強度不足であることが判明し、新たな工夫が必要となった。
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Strategy for Future Research Activity |
1)大型船モデルの製作(継続・仕上げ) (1)昨年度から引き続いて大型船モデルを完成させる。試運転を行い、運動性能、安全性を確認する。推進装置(エレキモータ)の制御は手動操作によるものであるので、推進制御装置を作成し連動させる。 (2)タグボートモデルの製作 モデルとしての完成を目指す。 3)訓練シナリオの試行 大型船モデルによる操縦を実施し、問題点の抽出とともに、訓練シナリオの要件を検討する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
シミュレータとして操縦実績の記録機能が必要である。マン・マシンインタフェースでの信号記録装置の開発・実装に必要な機材の購入に使用する。 また、大型船モデルおよびタグボートモデルの完成に必要な補足資材(接着剤等)の購入に充てる。
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