2012 Fiscal Year Annual Research Report
都市の広告用大型ディスプレイ群により引き起こされる有害な光刺激抑制の基礎検討
Project/Area Number |
23651167
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
多田村 克己 山口大学, 理工学研究科, 教授 (30236533)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松元 隆博 山口大学, 大学評価室, 准教授 (10304495)
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Keywords | 光害 / 光無線通信 / ディジタルサイネージ |
Research Abstract |
1.ディスプレイ間赤外線通信方式の開発 平成24年度は,前年度試作した近赤外LED素子とアバランシェフォトダイオード(APD)素子,FPGA素子を用いて,ディスプレイ間での情報交換を行う光無線通信システムを多対多での通信が可能になるように改良し,液晶ディスプレイや太陽からの外乱光の影響を伝送実験によって確認した.この多対多での通信可能なシステムは,3×3の格子状に配置した9個のLED素子と,同様に配置した9個のAPD素子からなる送受信機により,光信号による送受信が行える.CDMA技術を適用し,複数のLED素子で異なる拡散系列によって変調された信号を送信し,複数のAPD素子で受信した信号を相関処理によって分離し,合成することで,信号対雑音電力(S/N)比を改善し,ビットエラー(BER)特性を改善できることが明らかになった. 2.市街地におけるディジタルサイネージ群制御方法に関する検討 前年度から検討した結果,商店街等で利用される小規模ディスプレイが,常時通信とコンテンツシナリオ解析処理のために十分な能力を持つプロセッサを備えている事を前提とする必要がある事,ディスプレイの表示内容を制御する機器は,必ずしもディスプレイと一対一対応でないため,有害な光刺激抑止のための処理がさらに複雑になる事が予想され,このままでは,制御方法の検討結果が実用面で意味を持たない可能性が高くなると判断した.そこで,ディジタルサイネージ群の制御のための仕組みから検討し直すことにした.その結果,ディスプレイを統括制御するマネージャを頂点,ディスプレイを末端とする階層構造においてディスプレイ個別情報や制御情報の通信を行い,そのための通信手段にはコスト面も考慮してインターネットを利用することにした.この基本構成を前提として,安全な光環境を保持するために必要な事項について,制度面および技術面に関する成案を得た.
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