2012 Fiscal Year Annual Research Report
リアムコンパクト数値風況技術を核とした風車に対するウィンドリスクの力学機構の解明
Project/Area Number |
23651168
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
内田 孝紀 九州大学, 応用力学研究所, 准教授 (90325481)
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Keywords | 風力発電 / ウィンドリスク / 風況シミュレーション |
Research Abstract |
風力エネルギーの有効利用に関心が集まる中,風車の適地は海岸地区から山間部に移動しており,複雑地形上に風車を建設せざるを得ない状況にある.最近では,風車近傍の僅かな地形の凹凸や地表面粗度の急変が作り出す風の乱れ(地形乱流)が原因で,①風車の発電成績が計画段階よりも著しく悪い,②風車の故障が多発する,などの事例が新聞などで数多く報道されて問題になっている. 本研究では,風車に対するウィンドリスクを最新の数値風況予測モデルで再現し,3次元として立体的に特定する.さらに,野外観測データとの比較を行い,ウィンドリスクの定量化を試みる. 最終年度には,電力会社や風車メーカー,風力発電事業者の協力を得て,地形乱流に伴うトラブルに遭遇した風車情報を入手し,その状況をコンピュータで忠実に再現した.上記で開発した技術に基づき,風車がいかに過酷な状況にさらされているかを定量的に明らかにし,発電量低下や風車故障の原因となるウィンドリスクを特定することに成功した.さらに,それらのウィンドリスクの状況を,最新のコンピュータグラフィックス技術を用いて3次元として立体的に視覚化した. 研究全体を通じて,提案する一連の解析作業に要する時間や,予測精度を検証するための実証試験を行った.これは,風況シミュレーション方法や結果の表現方法を調査・分析することが主たる目的である.具体的には,上記の個別開発項目を統合し,計算領域の選定から実際の風況シミュレーション,計算結果のアニメーション作成などを行った.
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