2012 Fiscal Year Annual Research Report
危機管理対策 鳥類のバイタルサインを信号処理する研究
Project/Area Number |
23651169
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
中島 功 東海大学, 医学部, 教授 (00183509)
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Keywords | バイオテレメトリー / 気嚢の振動 / 加速度計 / 羽ばたきシュミレーション / データーロガー / 食道カテーテル / 心音 / 鳥の全身麻酔 |
Research Abstract |
水禽の7%は低病原性インフルエンザウイルス(以下、LPIVと略)に感染しており、鳥類での高病原性への突然変異を疑うため、生体内に埋め込むセンサ開発を行う必要があり、この前段の基礎研究として、鳥類の心電図、羽ばたき加速度などのデジタル信号採取と処理を行った。得られた生データ(羽ばたき数・体温・拍数・心電図など)は、鳥の健康状態を把握する重要な素材となることを確信した。 この研究で得られた成果は次のごとくで、1.生体の解剖生理として鳥類の呼吸は、硬い肺と胸部と腹部に発達した気嚢から成り立っており、消化管の炎症は、腹部気嚢に直接波及し、大循環を介さずとも炎症が呼吸器系に及ぶことを解剖により確認した。7つの気嚢に持続圧センサを挿入し、胸壁・腹壁インピーダンスを計測し、気嚢がチェックバルブ的な現象が発生し、この振動は鳥特有な呼吸の悪化を反映することを発見した。電子顕微鏡によりLPIVの繁殖する肺上皮細胞タイプII型が存在し、鳥類の循環器系は右大動脈弓、右軸回転で、左室心筋細胞に哺乳類では当たり前のT管が見当たらないことを複数のニワトリ、キジで確認した。 2.軽量鳥搭載装置によるデータ採取技術として、搭載型20gを開発し、心電図、三軸加速度を標本化秒800、量子化14ビットで、約2時間45分持続記録し、さらに食道カテーテルから心電図、心音、心音、心室・弁の動きを加速度で観察する装置を開発し、特許申請した。 3.電磁誘導による発電量の計測として、鳥に実装した加速度計から得られる羽ばたきエネルギー、この振幅エネルギーから磁場電位変換して得られる電位を計測し、シミュレーションの機械的な装置とで比較し、将来、皮下に埋め込むマイクロカプセルの基礎データを得た。 4.野外での鳥用麻酔装置の開発として、ニワトリ、ウズラ、キジに対して電池で駆動するCPU制御の携帯用イソフルラン吸入麻酔技術を取得した。
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Research Products
(9 results)