2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23651182
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Research Institution | Health Sciences University of Hokkaido |
Principal Investigator |
榊原 健一 北海道医療大学, 心理科学部, 准教授 (80396168)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
天野 成昭 愛知淑徳大学, 人間情報学部, 教授 (90396119)
山川 仁子 愛知淑徳大学, 人間情報学部, 助教 (80455196)
牧 勝弘 愛知淑徳大学, 人間情報学部, 准教授 (50447033)
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Keywords | 雪氷災害 / 積雪音響測定 / 雪崩救助 / 音声明瞭度 |
Research Abstract |
積雪環境および降雪時における雪崩埋没者と救助者との音声コミュニケーションを想定し,雪中での音場測定を実施した.新雪を含む自然積雪では,低周波領域で強い遮音特性を示し,また,圧雪では低周波から高周波まで広い周波数領域において強い遮音特性を持つことが明らかになった.測定した圧雪の条件は平均的な密度が350-400 kg/m^3で,雪崩のデブリとしてはやや低めの密度に相当し,この場合,雪面から30 cmの深さで,50 dB程度雪面から音響的な減衰が認められた.この結果は,雪面より上における会話音声が雪中の埋没者へ伝わることがほぼ不可能であることを示した. 一方,ストックを雪面に突き刺す音,雪面上の足音などは,最小可聴閾値を,広い周波数領域で,30 dB以上上回っており,埋没者が聴くことが十分に可能であることが分かった.また,救助用のホイッスル(F0=4000 Hz)も,最小可聴閾値を30 dB程度越えることが分かった. 以上の結果より,雪崩埋没者の捜索には,救助者の音声による呼びかけは有効性に欠け,埋没者へ救助者から音を伝達する場合は,雪面を振動させる方法が有効であることが示された.また,音声よりはホイッスルが有効であることが示された.
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Research Products
(2 results)