2011 Fiscal Year Annual Research Report
新規ポリA鎖長決定法を用いた概日リズムが見られるmRNAのゲノムワイド検索
Project/Area Number |
23651184
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
程 肇 金沢大学, 自然システム学系, 教授 (00242115)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2012-03-31
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Keywords | 概日リズム / 時計遺伝子 / 視交叉上核 / Periodl / poly(A) / 翻訳制御 |
Research Abstract |
生物には概日リズムとよばれる、約24時間周期の自律的な活動リズムが見られる。真核生物の概日リズム形成には、転写制御フィードバックループが一義的な機能を担うとされる。一方転写リズムがなくても、多数のタンパク質で発現概日リズムが見出され、タンパク質の時刻依存的濃度変化を構築する転写後制御機構(翻訳やタンパク質分解)も、概日振動ネットワークが機能するために重要であることが明らかとなった。真核生物の場合、mRNAの5'末端にあるCAP構造、ならびに3'末端のpoly(A)は、転写された後にDNA配列非依存的に付加され、翻訳反応の必須構造である。一般にmRNAのポリA鎖長は、同一遺伝子由来でも不均一な分布をもち、その長さ(平均値と分散)を簡便にかつ厳密に決定できる方法は今のところない。そこで従来からある低効率かつ結果がばらつきがちなポリA鎖決定法のAnchored RT-PCR法を改良して、PACHINCO(Poly(A) Capture by Hairpin Chimeric Oligonucleotide)-RT-PCR法を構築した。本年度は本方法を全自動型DNA分析用マイクロチップ電気泳動装置(Shimadzu社)に適用するための条件の最適化を実施した。その結果、poly(A-T)鎖を効率的に検出する泳動条件を決定し、さらに、自動電気泳動装置からの出力データを用いたpoly(A)鎖長分布解析プログラムを開発した。そして、この方法の有効性を実際の実験で評価し、実際にLarkによる哺乳類時計遺伝子Per1 mRNAのポリA鎖伸長を、明快に確認することができた。本研究をさらに伸展させることで、大規模シークエンサを用いることでスループット性と、ポリA鎖長の分析精度を飛躍的に高められると期待できる。
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Research Products
(1 results)