2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23651186
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Research Institution | Azabu University |
Principal Investigator |
森田 英利 麻布大学, 獣医学部, 教授 (70257294)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
服部 正平 東京大学, 新領域創成科学研究科, 教授 (70175537)
藤 英博 九州大学, 生体防御医学研究所, その他 (10353468)
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Keywords | 個体識別 / 腸内細菌叢 / UniFrac解析 / オランウータン / 人工飼育 |
Research Abstract |
日本の動物園で飼育されている32頭のオランウータンの糞便を、最低3か月以上の間隔をあけ、3回ずつ採取し、その腸内細菌叢のメタ16S解析を行った。 UniFrac解析(群集解析)の結果、同じ個体の3回の腸内細菌叢は、32頭中28頭のオランウータンでクラスタリングし、他の個体とは区別できた。したがって、腸内細菌叢は、人での研究と同様、オランウータン(動物)でも個体識別できる有用な結果を得ることができた。 本研究の過程で、母オランウータンが哺乳・育児しない生後すぐのオランウータンが2頭いて、それらは人工飼育された。その2頭のオランウータンの腸内細菌叢は、他のオランウータンの細菌叢とはクラスタリングせず、in house data(非公開)の健常なヒト腸内細菌叢のクラスターに含まれたことから、ヒトの生活する環境中の細菌によって、生後すぐのオランウータンの腸内細菌叢が形成された可能性が示唆された。 そのうちの1頭を人工飼育した飼育員の腸内細菌叢を解析し、そのオランウータンの細菌叢との比較している。また、その2頭のオランウータンは、親オランウータンの元で飼育しているので、その後の細菌叢の変化も興味深い。その結果によっては、異なる生物種の腸内細菌叢を形成する根拠が明らかになる可能性がある。
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