2011 Fiscal Year Annual Research Report
MICA遺伝子多型と血中分泌型MICAの慢性C型肝炎予後予測因子としての検討
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23651192
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
松田 浩一 東京大学, 医科学研究所, 准教授 (90401257)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2012-03-31
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Keywords | MICA / 肝癌 / HCV |
Research Abstract |
肝癌の原因の70%以上を占めるC型肝炎ウイルスのキャリアーは200万人いると推測されている。これまで慢性C型肝炎に対する治療方針はウイルス側の因子を基に決定されていたが、近年疾患の予後や薬剤応答性に関連する遺伝子が次々と明らかとなってきた。今回我々のグループは、MICA遺伝子上のSNPが慢性C型肝炎から肝癌への進展に関わる事を解明した。またMICAの遺伝子型と血中MICA濃度が強く相関する事より、血中MICA濃度の測定で遺伝子検査が代用可能である事とMICAが癌治療の標的となる可能性を示した。以上の知見を基に、MICA以外の予後予測因子の解明と、分泌型MICAの有無と予後について検討を行った。慢性C型肝炎から肝硬変への進行と関連する遺伝因子を検討した所、MICA上のSNP以外にMHC領域の2領域のSNPが肝硬変の発症リスクと関連する事が明らかとなった。さらに血中MICA値とHCV陽性肝癌患者の予後(overall survival)との関連を検討した所、MICA陽性群と陰性群とで差が見られなかった。以上の結果より、MICAは肝炎から肝硬変、肝癌の発症過程に重要な因子で有ることが明らかとなった。 またMICA遺伝子の転写制御機構の解明を目的として、プロモーター領域の多型について検討した所、SP-1の結合に変化をきたすSNPが同定された。このSNPはmarker SNPと強い連鎖不平衡(r2=0.82)にあったことから、この領域に対するSP-1のaffinityが変化することによる遺伝子の転写量の変化が癌の発症に寄与することが示唆された。これらの世界によって、MICAの制御機構やそのHCV感染経路における意義が明らかとなり、予後マーカーや治療応用に結びつくと期待できる。
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Research Products
(9 results)
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[Journal Article] Genome-wide association study identifies a susceptibility locus for HCV-induced hepatocellular carcinoma2011
Author(s)
V. Kumar, N. Kato, Y. Urabe, A. Takahashi, R. Muroyama, N. Hosono, M. Otsuka, R. Tateishi, M. Omata, H. Nakagawa, K. Koike, N. Kamatani, M. Kubo, Y. Nakamura, K. Matsuda
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Journal Title
Nature genetics
Volume: 43
Pages: 455-458
DOI
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[Journal Article] A genome-wide association study of chronic hepatitis B identified novel risk locus in a Japanese population2011
Author(s)
H. Mbarek, H. Ochi, Y. Urabe, V. Kumar, M. Kubo, N. Hosono, A. Takahashi, Y. Kamatani, D. Miki, H. Abe, T. Tsunoda, N. Kamatani, K. Chayama, Y. Nakamura, K. Matsuda
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Journal Title
Human molecular genetics
Volume: 20
Pages: 3884-3892
DOI
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