2011 Fiscal Year Research-status Report
塩基修飾と次世代シーケンサを用いたクロマチン構造のゲノムワイド単一分子解像度解析
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23651199
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
伊藤 隆司 東京大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (90201326)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2012-03-31
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Keywords | クロマチン / 修飾酵素プロービング / 次世代シーケンサ |
Research Abstract |
クロマチン動態の理解を深めるには、ヌクレオソームや転写因子の結合部位を同定するのみならず、各結合イベント間の関連性(相関)を把握することが重要である。しかし、ヌクレアーゼに依拠する現行の解析法では、各結合部位が独立の結合断片またはフットプリントとして検出されるために、結合イベント間の関連性に関する情報が失われ、集団全体の平均像しか得られない。そこで我々は、出芽酵母をモデル系に、DNA 切断ではなくて、塩基修飾の導入(Cのメチル化と脱アミノ化)と次世代シーケンサによるその網羅的検出を基盤とするゲノムワイドクロマチン解析法を開発する。こうして得られるデータの単一分子解像度を活用して、クロマチン構造に関する集団構造や結合イベント間の関連性を把握し、クロマチン動態の本質の理解に迫る新しい研究スタイルの開拓を目指す。 M.SssIによるシトシンのメチル化を利用する方法については、単離核のメチル化を行うための基礎条件検討として、単離した酵母ゲノムDNAのメチル化を行なった上で、全ゲノムバイサルファイトシーケンスを行って、評価を行った。しかしながら、メチル化率は数十%程度に留まり、所期の効果を得られなかった。酵素標品間での大きな違いを示すデータも得られており、メーカーを変更する等の検討を進めている。一方、AIDについては、ヒトのcDNAを入手して、酵母細胞内での発現を行った。FLAGとGFP融合型にして発現したが、核への移行がよくなかったために、核移行シグナルの付加を行うことでこれを改善した。しかしながら、カナバニン耐性による効率推定では所期の効率が得られなかった。そこで様々な検討を加えたところ、FLAGもGFPも付加しないものが最も効率がよいことが分かった。 今後、これらの検討の結果に基づいて、条件を更に至適化した上で、次世代シーケンシングによる検討を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
(1)基礎条件の検討・試料調製と(2)次世代シーケンサによる解析を今年度中に行う予定であったが、(1)が予想外に難航した。また、(2)については当初は外部機関に委託して大型次世代シーケンサによる解析を行うことを想定していたが、本研究のスケールに適した小型次世代シーケンサが新たに登場し当研究室に導入されることになったため、それを用いた解析を行う方向で計画を修正した。しかしながら、当該シーケンサの導入は、輸入手続きの遅れ等の影響で大きく遅れた。そのため、当初の予定よりも遅れが生じている。
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Strategy for Future Research Activity |
終了年度を延長したことと次世代シーケンシングの自由度が高まったことを踏まえて、基礎検討を更に慎重に進めた上で解析を行ない、この方法の有用性に関する見極めを行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
主として次世代シーケンシング関連の経費に充てることとしたい。
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