2012 Fiscal Year Annual Research Report
塩基修飾と次世代シーケンサを用いたクロマチン構造のゲノムワイド単一分子解像度解析
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23651199
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
伊藤 隆司 東京大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (90201326)
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Keywords | クロマチン構造 / 次世代シーケンス |
Research Abstract |
クロマチン動態の理解を深めるには、ヌクレオソームや転写因子の結合部位を同定するのみならず、各結合イベント間の関連性(相関)を把握することが重要である。しかし、ヌクレアーゼに依拠する現行の解析法では、各結合部位が独立の結合断片またはフットプリントとして検出されるために、結合イベント間の関連性に関する情報が失われ、集団全体の平均像しか得られない。そこで我々は、出芽酵母をモデル系に、DNA 切断ではなくて、塩基修飾の導入(Cのメチル化と脱アミノ化)と次世代シーケンサによるその網羅的検出を基盤とするゲノムワイドクロマチン解析法を開発する。こうして得られるデータの単一分子解像度を活用して、クロマチン構造に関する集団構造や結合イベント間の関連性を把握し、クロマチン動態の本質の理解に迫る新しい研究スタイルの開拓を目指す。 M.SssIによるシトシンのメチル化を利用する方法については、基礎条件検討を進めていたが、所期の成果を得るに至らないうちに、類似手法NOME-Seqが報告されてキットも市販されることになった。よって、メチル化部分についてはこのキットを用いることにして、バイサルファイトシーケンスの部分では我々が開発に成功した高感度技術PBATを利用することで、高感度計測を行うことにした。 シトシンの脱アミノ化については、AIDの酵母細胞内での発現を行なって、変換率の評価を進めたが所期の成果を得るには至らなかった。 以上から、後者については今後も検討の必要があるが、前者については市販キットも利用しながら実用的な手法としての今後の活用の基盤は概ね整備されたと考えている。
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Research Products
(1 results)