2011 Fiscal Year Research-status Report
官能基特異的反応に着目したスフィンゴシン類の選択的捕捉法の開発
Project/Area Number |
23651211
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
門出 健次 北海道大学, 先端生命科学研究科(研究院), 教授 (40210207)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | スフィンゴシン / グルタルアルデヒド / 捕捉 / 2-アミノ-1 / 3-ジオール / 官能基特異的 / 化学特異的 |
Research Abstract |
本研究では、セカンドメッセンジャーとして、近年、注目を集めているスフィンゴシンを選択的に捕捉する方法論を開発することを目的としている。まず、ターゲット化合物であるスフィンゴシンの大量化学合成を実施した。スフィンゴシンは市販品として容易に入手可能であるが、微量でしか入手できないこと、また、天然体の立体化学を有したもののみしか入手できないため、化学合成によるサンプルの調製を行った。D-セリンから調製された保護体にメチルリン酸ジメチルエステルを結合させ、テトラデカナールとのエモンズ・ホーナー反応により、トランスエノン体を得ることができた。続くDIBAH還元により、選択的にαアルコール体を得、これを酸性条件で加水分解することにより、天然体であるD-erythro体を調製した。また、L-Selectrideを還元剤とすることにより、βアルコール体を得、続く加水分解反応により非天然型のL-threo体を合成した。更に、出発原料として、L-セリンを使用、同様な合成ルートを実施し、L-erythro, D-threo体を調製した。次に、スフィンゴシンの共通構造である2-アミノ-1,3-ジオール構造に、化学特異的に反応する反応剤の設計について検討した。「2-アミノ-1, 3-プロパンジオール」をモデル化合物として、捕捉剤の検討を行った。本化合物は、スフィンゴシンと全く同じ官能基群を有し市販品が入手可能なことから、モデルとして最適と判断された。TLC上での条件検討を考慮して、紫外線で容易に検出可能なフェニルグルタルアルデヒドを設計、これを合成した。フェニルグルタルアルデヒと2-アミノ-1, 3-プロパンジオールが三環性化合物を与えることを確認した後、その生成条件に関して、pH、温度、時間等の最適条件を検討した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定していたスフィンゴシンに関して、4種類の化学合成が順調に修了したことは、これからの研究に必要かつ重要であるサンプルの調達に成功したことを示している。これにより、今後の研究に必須であるスフィンゴシンを充分量確保できたといえる。また、反応剤の設計として発色団としてフェニル基の導入に成功し、ある程度の条件検討は可能となったが、更に高感度な蛍光基の導入も今後研究のスピードアップに繋がる可能性があることが判明したため。
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Strategy for Future Research Activity |
研究は、概ね良好に進行しているので、当初の計画にそって実施するが、反応条件の検討に関しては、蛍光基が有効である可能性が発生したので、蛍光基を使用した検出方法についても追加検討する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
23年度中に納品したが、支払が次年度以降になったため、薬品・書籍の支払に使用する。
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[Journal Article] Salvileucalin C, a novel rearranged neoclerodane diterpene from Salvia leucantha2011
Author(s)
Aoyagi Y., Yamazaki A., Kato R., Tobe F., Fukaya H., Nishikawa T., Nakahashi A., Miura N., Monde K., Takeya K.
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Journal Title
Tetrahedron Lett.
Volume: 52
Pages: 1851-1853
Peer Reviewed
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