2013 Fiscal Year Annual Research Report
官能基特異的反応に着目したスフィンゴシン類の選択的捕捉法の開発
Project/Area Number |
23651211
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
門出 健次 北海道大学, 先端生命科学研究科(研究院), 教授 (40210207)
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Keywords | スフィンゴシン / グルタルアルデヒド / 捕捉 / 2-アミノ-1, 3-ジオール / 官能基特異的 |
Research Abstract |
昨年度に引き続き、捕捉剤の開発及び官能基特異性の評価を行った。昨年度開発した樹脂の大量合成法に沿って、補足能を有する化合物を合成、市販樹脂との結合により、実験に必要な捕捉樹脂を確保した。捕捉の効率を数値化するために、OPA法についての検量線を作成し、補足、脱離の効率を数値化することに成功した。これにより、補足条件の検討を更に効率的に行うことができた。また、脱離条件についても詳細な検討を実施したが、脱離後のpHが、検出誘導化条件であるOPA法の塩基性条件と合致せず、良好な収率が得られないことが判明した。今後、脱離後のpHのコントロールが必要検討条件であることが判明した。 血液中にはセカンドメッセンジャーであるスフィンゴシン1リン酸(S1P)の分解物であるスフィンゴシンが存在する。まず、文献で述べられているスフィンゴシンの濃度まで、本方法がダウンサイズ可能であるか確認した。標品のスフィンゴシンを用いた実験により、血中濃度とほぼ同様な濃度での検出が可能であることが判明した。実際の血清のサンプルでは、同様な方法での検出が不可能であったので、サンプルの濃縮を行ったところ、HPLCのRTでの確認ではあるが、血清中のスフィンゴシンの検出に成功した。 次に捕捉ビーズの応用例として、容易に入手可能でスフィンゴシン類が比較的多く含まれるタモギタケに着目した。タモギタケよりグルコセラミドを常法により単離し、標準サンプルをグラムスケールで得た。次に酸、アルカリによる加水分解の条件を検討した。低収率ではあるが、脂肪酸のみが加水分解されたグルコスフィンゴシン類が得られた。これについての補足実験を実施、1級アルコールに糖鎖が結合した状態でも、本樹脂がグルコスフィンゴシン類を捕捉することが判明した。
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