2011 Fiscal Year Research-status Report
タウタンパク質によるアミロイド繊維形成を支配するアミノ酸リン酸化コードの探求
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23651215
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
森井 孝 京都大学, エネルギー理工学研究所, 教授 (90222348)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | アミロイド / タウタンパク質 / リン酸化 / ペプチド / 凝集体 |
Research Abstract |
タウ凝集体を形成するMBD中のコア配列のひとつと予測されるVQIVYK配列のN末端には生体内でリン酸化を受ける可能性が示唆される305位セリンが存在する。セリンを付加したSPHFペプチド、305位セリンと310位のチロシンをそれぞれリン酸化したSPHF誘導体ペプチド(pSPHF, SPHFpY)、そしてタウのスプライシング・バリアントに対応した305位にリシンが存在するKPHFおよびKPHFpYを合成した。また、繰り返しアミノ酸配列に存在するコア配列VQIINKKLDLSNVQS(COREペプチド)をもとにして、生体内でリン酸化を受けることが示されているセリン残基(下線部)をリン酸化したペプチドを合成した。これらを用いて、各ペプチドのアミロイド繊維形成特性を超遠心による凝集体形成臨界濃度測定、構造を蛍光・赤外分光法、円二色性スペクトルにより解析した。各ペプチドによって形成された繊維の形状・サイズを電子顕微鏡(TEM)・原子間力顕微鏡(AFM)により観察する条件を決定した。これらの結果をもとにして、pSPHF、SPHFpY、KPHFおよびKPHFpYの凝集特性と凝集体の形状を明らかにして、その結果をBiochemistry誌に発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定通り、タウタンパク質の凝集に重要と考えられるVQIVYK配列とVQIINK配列に由来するペプチドを合成した。合成したペプチドpSPHF、SPHFpY、KPHFおよびKPHFpYの凝集特性と凝集体の形状を明らかにして、その結果をBiochemistry誌に発表した。
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Strategy for Future Research Activity |
1.二量体形成による凝集性ペプチドの配向制御 タウ繰り返し配列中の凝集コア配列がどのように配向してアミロイド繊維を形成するかを探る。リン酸化されたSPHFおよびCORE誘導体ペプチドを組み合わせたペプチド二量体を作製することにより、タウがさまざまな組み合わせでリン酸化された状態での、同一タウ分子内もしくはタウ分子間でのタウMBD内の凝集コア配列間相互作用をモデル化する。そのために、アンチパラレル配向もしくは平行βシートを安定化するパラレル配向に立体規制した同種および異種ペプチド二量体を合成する2.リン酸化タウMBDとタウ凝集ペプチド二量体によるアミロイド形成「凝集性が高いコードを持つリン酸化タウペプチド」により、タウのアミロイド凝集体形成が促進されるかを検証する。組み換えタンパク質タウMBDをリン酸化し、それぞれのリン酸化タウMBDに「凝集性が高い(もしくは低い)コード」を持ったペプチドを加えて凝集体形成反応を解析し、「タウ・リン酸化コード」の妥当性を検証する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
ペプチド合成に必要な消耗品費と、アミロイド繊維の形状を観測するための透過型電子顕微鏡およびAFMの消耗品費に充てる。
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