2012 Fiscal Year Annual Research Report
生体内プロテアーゼ活性の複数同時観測を可能とする新規タンパク質プローブ分子の創成
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23651230
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
坂本 清志 東北大学, 多元物質科学研究所, 助教 (30335228)
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Keywords | プロテアーゼ / バイオプローブ / 蛍光タンパク質 / 発光タンパク質 / 分割型タンパク質 |
Research Abstract |
プロテアーゼは、ペプチド結合加水分解反応を触媒的に進行させる酵素の総称である。生体内には多様なプロテアーゼ群が存在し、生物の発生、細胞分化、細胞周期、癌化、老化など様々な生命現象や疾患に関与していることが判明している。例えば、細胞内プロテアーゼによる配列特異的なアミド結合の切断によって、特定タンパク質の限定分解や酵素の活性化を介した細胞周期制御や、アポトーシスにおけるプログラム細胞死シグナルの開始と伝達等が厳密に実行されている。従って、細胞内に存在する種々のプロテアーゼの活性、種類ならびにその経時的発現分布変化をタンパク質レベルで可視化し、モニタリングすることは、複雑に分化した各細胞機能を分子レベルで解析、理解する上で非常に重要かつ緊急性を有する研究課題と考えられる。 以上の背景を踏まえ、本申請課題では、生細胞ならびに生体内に存在する様々なプロテアーゼ活性の複数同時リアルタイム観測を可能とする新規蛍光および発光タンパク質型プローブ分子を開発を行った。具体的には、人工的に切断した分割型タンパク質の自発的再構成反応を利用し、任意のプロテアーゼ存在下においてのみ特異的に蛍光あるいは発光機能を示すことが可能な新規タンパク質型バイオプローブの開発に成功した。また、新規に構築したタンパク質型バイオプローブを用いて、複数のプロテアーゼ活性の多色同時蛍光検出や、複数のプロテアーゼ存在下においてのみシグナルを示すマルチプロテアーゼ型タンパク質院ディケーターの開発に成功した。
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