2013 Fiscal Year Annual Research Report
金属エノラートを鍵とする新規アフィニティー精製法の開発
Project/Area Number |
23651244
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Research Institution | Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
どど 孝介 独立行政法人理化学研究所, 袖岡有機合成化学研究室, 研究員 (20415243)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
江上 寛通 独立行政法人理化学研究所, 袖岡有機合成化学研究室, 客員研究員 (50553848)
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Keywords | 金属エノラート / タンパク質 / ペプチド / アフィニティー精製 |
Research Abstract |
ケミカルバイオロジー分野において、低分子化合物の結合タンパク質・結合部位の同定は非常に重要な命題の一つである。しかしながら、その手法はいまだ発展途上であり、様々な実験系で用いることができる一般性の高い方法論の開発が望まれている。本研究では、金属エノラートを基盤として新しいペプチド修飾反応・精製方法を検討し、結合タンパク質・結合部位同定に応用できる新規アフィニティー精製法を開拓することを目指す。 前年度までにアミノ酸をベースにしたモデル化合物を用いて、金属エノラートとしての固相担体への捕捉(キャッチ)と求電子試薬との反応による固相からの溶出(リリース&リアクション)に成功した。本年度はこのコンセプト実証に続き、目的とする結合タンパク質・結合部位の同定により近い実験系での検討を行った。まず、前年度で行ったコンセプト実証実験を様々なアミノ酸の共存下行い、アミノ酸側鎖が本反応に与える影響を調べた。その結果、システインを除き大半のアミノ酸は影響しないことが明らかとなった。この結果を受け、前年度で合成したモデルアミノ酸をペプチドへと組み込み、モデルとなるペプチドを作製した。これを用いて、ペプチドを用いて金属エノラートによる精製、求電子試薬との反応を検討した。その結果、モデルアミノ酸を用いた時と同様に極めて効率的な捕捉(キャッチ)に成功した。しかしながら、固相担体からの溶出(リリース&リアクション)に関しては、モデル化合物に比べると反応効率が低く、さらなる検討が必要であることが明らかとなった。
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