2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23651249
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Research Institution | Mukogawa Women's University Junior College Division |
Principal Investigator |
吉田 徹 武庫川女子大学短期大学部, 食生活学科, 准教授 (00378952)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福尾 惠介 武庫川女子大学, 生活環境学部, 教授 (40156758)
福田 滿 武庫川女子大学短期大学部, 食生活学科, 教授 (90098517)
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Keywords | 凍結保存 / 過冷却 / 磁場凍結 / アルテミア / 凍害防御剤 / トレハロース |
Research Abstract |
最終年度となる本年度は、ネオジム磁石をフリーザー庫内に配置させた定常磁場下での凍害評価を行い、本研究課題における磁場下凍結に対する凍害評価で保留にしていた部分の追加実験と、過冷却凍結を利用した瞬間的凍結や異なる凍結速度による明確なアルテミアの孵化率変化を裏付ける検証実験を行った。 磁場下凍結に対するアルテミア孵化率変化については、本年度はさらに多くの個体処理を行ったが、明確な有意性を得ることが出来なかった。アルテミア水和胚の孵化率は凍結障害を中立かつ正確に反映したものであると考えており、本年度までに精力的に行ったCASを含む変動磁場や様々な定常磁場によって孵化率の有意な差を認められなかったことは、少なくともアルテミアを指標としたバイオアッセイでは磁場下凍結の有効性は確認出来なかったことを意味する。ただし、CASフリーザーが冷凍食品を対象としており、食品の品質評価は食感など多くの官能指標に基づくため、磁場下凍結が食品凍結に対する有効性を必ずしも否定するものではない。 これまでの研究により、凍結速度の違いによるアルテミア孵化率変化は有意性を備えた明確な成果であると考えられるため、最終年度ではアルテミア耐性胚(シスト)を脱殻した水和凍結胚を用い、各種凍害防御剤による効果を検討したところ、トレハロース処理やDMSO処理によって孵化率の改善が認められた。なおアルテミアシストの脱殻状態は、クライオ対応走査型電子顕微鏡(Cryo-SEM)で確認を行った。さらに凍結速度による水和凍結胚内部の状態を調べるため、Cryo-SEMで胚割断面を観察したところ、凍結速度の違いにより細胞質内の微細構造の違いが認められ、孵化率の違いに対する合理的な説明が得られた。以上より、様々な凍害防御剤や不凍タンパク質などを今後検討していく凍害評価手段として、脱殻したアルテミアの水和凍結胚の有用性が示された。
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Research Products
(2 results)