2011 Fiscal Year Research-status Report
世界銀行の援助による日本の農村開発計画の長期的評価とオーラルヒストリー化
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23651260
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Research Institution | Hosei University |
Principal Investigator |
藤倉 良 法政大学, 人間環境学部, 教授 (10274482)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤倉 まなみ 桜美林大学, 総合科学系, 教授 (30458955)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 世界銀行 / 根釧パイロットファーム / 上北パイロットファーム / 篠津泥炭地開発 / 農地開発機械公団 |
Research Abstract |
世界銀行が日本への借款対象とした、根釧パイロットファーム、上北パイロットファーム及び篠津泥炭地に関する資料を収集した。根釧パイロットファームについては4名、上北パイロットファームについては2名の第一世代入植者に対してインタビューを行い、オーラルヒストリー化を行った。また、世界銀行が日本で行ったもうひとつの農業案件である愛知用水についても比較のため、資料を収集するとともに当時の事業関係者に対してインタビューを行った。 これらから、根釧パイロットファームで行われた機械開墾はその後の日本の畜産農業開発のモデルケースとなり、同様の方式で北海道の開発が進められたことが明らかになった。また、一般には根釧パイロットファームは失敗事例として評価されているが、実際には半数の離農者を出したが、残り半数は最終的には順調な畜産経営を行っていることを明らかにした。一方、上北パイロットファームは経営自体は順調に行われていたが、農林省や青森県が技術伝搬の努力を行わなかったため、忘れ去られた存在となってしまっていることが明らかにになった。 これらの研究業績は英文書籍の一部として刊行準備中である。また、農業農村工学会北海道支部及びNPO法人篠津泥炭地農地環境保全の会において報告を行ったところである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
根釧、上北の両パイロットファームについての資料収集及び入植者へのヒアリングは完了した。成果は口頭発表と論文で行うことができたが、ホームページで公開する準備が遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
平成24年度に北海道別海町にて米国の研究者を招へいした国際セミナーを開催し、平成23年度の成果の分析を深める。 また、世界銀行東京事務所から本研究についての成果発表の依頼があり、これに応えるとともに、世界銀行本部を訪問し、アーカイブ等に残された資料を収集し、研究成果の充実を図る予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
現地調査旅費の執行額が予定より少なかったので、平成24年度にはこれを主に旅費として追加使用することとした。具体的には、国際セミナーへの米国研究者の招へいと、研究代表者及び研究協力者の別海町への旅費である。
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