2011 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
23652034
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
島添 貴美子 富山大学, 芸術文化学部, 准教授 (00432120)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | 民謡 / 民謡調査 / 町田嘉章 / フィールドノート / 日本音楽 |
Research Abstract |
本研究は、町田嘉章(佳聲)の民謡調査を取り上げ、戦前から戦後にかけての民謡研究の状況を明らかにし、再評価することを目的とする。 23年度は以下の調査研究を行った。(1)一次資料の収集:町田の蔵書を所蔵・公開している(財)日本民謡協会の協力を得て、町田のフィールドノート(11冊)と手帳(4冊)資料の撮影(ファイル数1,261)および、未整理の草稿・手紙等の撮影(ダンボール6箱、ファイル数7743)、出版原稿の複写を行った。作業の過程で、予想よりもはるかに未整理草稿が多いことが判明し、作業は完了しなかった。(2)収集した資料の整理:フィールドノートのうち戦前分の調査旅程、収集曲、その他の情報をリスト化、町田が編纂した『日本民謡集成』と『日本民謡大観』(全9巻の一部)の収録曲、その他の情報をリスト化した。(1)の収集調査が完了しなかったため、資料整理も完了しなかった。 他方、次年度の計画を一部前倒しして行った。(3)情報の照合:(2)で整理した情報の一部を照合し、一次資料(フィールドノート)がどの程度、どのように二次資料(『日本民謡集成』等の出版物)で整理・分類されていったかを確認した。(4)成果の出版:収集と照合作業が終わった昭和14年から16年にかけての調査資料をもとに論文を出版した。 町田の伝記によると、第二次世界大戦時の空襲で多くの資料が消失したとされているが、未整理資料の調査の結果、戦前の資料の一部を発見した。発見された戦前の資料を今後、吟味することによって、特に、町田の戦前の調査の詳細や『日本民謡大観』の初期の調査(昭和16年以降)の状況の一部が明らかになると思われる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
作業の過程で、予想よりもはるかに未整理草稿が多いことが判明し、収集・整理作業は完了しなかったが、収集・整理が終わった部分については、次年度の作業を前倒しして、二次資料との照合作業と研究成果の執筆・出版を行ったため、おおむね順調に進展していると評価できる。
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Strategy for Future Research Activity |
前年度に完了しなかった作業を完了させるとともに、次年度の計画を遂行する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度に完了しなかった作業を行うために、研究費は主に、旅費、複写費に使用する。また、収集した資料の容量が当初の予定よりも大きくなることが予想されるため、それに見合ったノートPCの購入とハードディスク等の物品費にも使用する。
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Research Products
(1 results)