2013 Fiscal Year Annual Research Report
高等教育機関における音楽専門教育を通した職業的キャリア発達に関する実態研究
Project/Area Number |
23652041
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Research Institution | Kunitachi College of Music |
Principal Investigator |
久保田 慶一 国立音楽大学, 音楽学部, 教授 (70170032)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
壬生 千恵子 愛知県立芸術大学, 音楽学部, その他 (60572964)
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Keywords | キャリア支援 / 音楽大学 / キャリア教育 / 教養教育 |
Research Abstract |
平成25年度は最終年度にあたり、今年度予定していた研究のほかに、これまでの2年間の研究の総括をした。実地調査としては、スイスのバーゼル音楽院ならびにドイツ連邦共和国のカールスルーエ音楽大学を訪問調査し、学生のキャリア支援担当者と意見交換し、各国の状況についての知見を深めた。 これまで日本と欧米の音楽大学あるいは音楽院におけるキャリア支援の実情と、とりわけカリキュラムとの連動を視点として調査した。アウトリーチや地元の音楽団体の連携、さらに一般総合大学との単位互換などを実施しており、学外機関との連携をカリキュラム化し、大学教育全体を通してのキャリア教育を実践している。 これに対して我が国の音楽大学や音楽学部では、学外機関との連携はまだ未熟で、カリキュラム化もそれほど進んでいない。むしろ学内や学部内の資源を活用し、また就職関連企業との連携を深めている。そのために各大学の実情にあったキャリア教育やキャリア支援が実施されているとはいいがたく、近い将来には、大学の経営悪化や学生数の減少にともなって、外部委託もできない状況なると、大学としてのキャリア教育やキャリア支援は危機的な状況に陥るであろう。 最終年度としては、教育学者や音楽家を招いて「音楽大学と教養教育」と題したシンポジウムを実施した。また研究成果の報告として、小冊子「音楽とキャリア」を印刷し、関係機関や関係諸氏に提供し、意見等等を求めることができた。 特に日本の音楽大学は学生の減少期に入り、個々の大学でキャリア支援を実施していのは困難であろう。今後は音楽大学のコンソーシアムを形成して、共同でキャリア支援を実施していく体制が望まれるであろう。
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Research Products
(2 results)