2012 Fiscal Year Research-status Report
東アジア地域のデザインにみる交流に関する歴史的研究:中国、台湾、韓国、日本
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23652047
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Research Institution | The National Museum of Modern Art, Tokyo |
Principal Investigator |
木田 拓也 独立行政法人国立美術館東京国立近代美術館, その他部局等, 研究員 (40300694)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井口 壽乃 埼玉大学, 教養学部, 教授 (00305814)
井田 靖子(菅靖子) 津田塾大学, 学芸学部, 准教授 (20312910)
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Keywords | 国際研究者交流 / 東アジア / デザイン史 / 工芸史 / 近代 |
Research Abstract |
二年目にあたる平成24年度には、「オリエンタル・モダニティ」というテーマで、国際シンポジウムを開催し、本科研の参加メンバーの井口壽乃(研究分担者)がモヂュレータとなり、菅(井田)靖子(研究分担者)、木田拓也(研究代表者)と、研究協力者である菊池裕子(ロンドン芸術大学)がこれまでの調査研究の成果の一部について個別に報告を行うとともに、私たちの研究グループと同じような問題意識を抱き、東アジア圏のデザインについて研究している海外の二人の若手研究者(ユナ・リー、ブライトン大学;リン・ウエッシー、ロンドン芸術大学)、そして、樋田豊次郎(秋田公立美術工芸短期大学)を招き「デザイン」という領域に含まれる、プロダクトデザイン、グラフィックデザイン、ファッション、工芸、工芸教育など多岐にわたる分野について討議を行った(平成24年7月14日、東京国立近代美術館)。討議を通じて、「東アジア」という地域の近代史におけるさまざまな課題が浮かび上がってきた。また、研究の方向性、研究対象、今後の課題などについて共感する部分も多いことが確認された。 また、シンポジウム以外では、木田拓也は、「越境する日本人」工芸家が夢みたアジア」展を実施するとともに、カタログに執筆した。井口壽乃は、日本統治時代の台湾博覧会について調査を行った。菅靖子は北京自由学園について調査を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度は、平成24年3月にトロント(ヨーク大学)で行った研究会を踏まえ、「越境する日本人:工芸家が夢みたアジア」展(東京国立近代美術館、平成24年4月~7月)の会期中に、本研究メンバーを中心として、国際シンポジウム「オリエンタル・モダニティ:東アジアのデザイン史 1920-1990」を実施、パネル発表を通じて研究成果の一部を報告するとともに、海外の研究者を迎えて討議を行った。各自個別の調査研究を進めるとともに、海外の研究者との情報交換を重ねており、平成25年度にも、共同のワークショップを予定している。東アジアデザイン史研究者とのネットワーク構築は着々と進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年6月には、台湾の雲林大学において、海外の研究者との共同で、東アジアにおけるデザイン史をテーマとするシンポジウムを実施する予定。また、これまでの研究成果と、本研究を通じて構築されつつある海外研究者とのネットワークを土台に、デザイン史の分野における「東アジア」という枠組みの構築に向けて、今後の展開の方向性についても探りたい。なお今年度が最終年度にあたることから、これまでに集積した文献目録等をデータベースとして整理したい。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成25年度の研究費については、平成25年6月に台湾で開催されるシンポジウムの参加費用に充てるほか、7月にシンガポールで開催されるIACS Conference(Inter-Asia Cultural Studies Society)の参加費用にあてる予定。
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Research Products
(7 results)