2012 Fiscal Year Research-status Report
「イソップ寓話集」の流布と変容――イタリア・ルネサンスから日本の伝統へ
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23652068
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
伊藤 博明 埼玉大学, 教養学部, 教授 (70184679)
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Keywords | イソップ寓話 / シュタインヘーヴェル / 司馬江漢 / 訓蒙画解集 |
Research Abstract |
1 前年度に引き続き、シュタインヘーヴェル版「イソップ寓話集」(ラテン語)について、10以上のスペイン語版の調査研究をおこなった。その結果、『イソップ寓話集』邦語版二種に掲載されていながら、ラテン語版に含まれていない二つの寓話が1546年刊行のブルゴーニュ版に見いだされることから、邦語版二種が依拠した可能性が最も高いのはこのスペイン語版であることが明らかになった。 2 また、『イソップ寓話集』邦語版二種が、上記のスペイン御版に加えて参照したと考えられる、ラテン語版「イソップ寓話集」について20以上の版について調査をおこなった。その結果、1500年代に多数刊行されたものの中で、ポッジョ・ブラッチョリーニの『笑話集』に基づく、アプステーミオの『第二・一〇〇話集』からの逸話を含む1542年リヨン版、あるいは1535年のチューリヒ版との関係が深いことが判明したが、引き続き、さらに多くの版について調査が必要である。邦語版二種に含まれる寓話で、出典が明確ではないものがまだ数話存在するので、別の文献も博捜した調査が必要である。 3 司馬江漢に対する、ヨースト・ファン・デン・フォンデルのオランダ語版「イソップ寓話集」(1617年初版)の影響について、その詳細を詳しく検討した。また、司馬江漢の詩画軸、および『訓蒙画解集』に収められた寓話についても、調査をおこなった。 4 司馬江漢の『訓蒙画解集』について、典拠について調査し、典拠との相違も明らかにしながら、英訳をおこなった。この作業は引き続き続行される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1 『イソポのハブラス』と『伊曽保物語』の成立の経緯について、原典とするスペイン語版・ラテン語版についてほぼ画定できた。 2 江戸時代においてあらたにオランダから舶来された「イソップ寓話集」の司馬江漢への影響を明らかにすることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
1 『イソップ寓話集』邦語版二種の原典について、とりわけラテン語版「イソップ寓話集」の調査研究を進めるとともに、これら二種の成立過程について考察する。 2 引き続き、司馬江漢の『訓蒙画解集』の英訳をおこなう。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
該当なし
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