2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23652091
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Research Institution | Kagoshima City Aquarium Foundation |
Principal Investigator |
神田 和幸 公益財団法人鹿児島市水族館公社, 研究所, 研究統括者 (70132123)
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Keywords | 手話 / 助け合い / 高齢者社会 / 手話検定 / 手話学習難易度 |
Research Abstract |
第69回福祉情報工学研究会において『「助け合いサイン」の開発と普及』と題して本研究の成果の概要を公表した。本研究課題は「補聴サイン」であるが、研究が進行する中で、補聴器を連想させるのでよくないという聴覚障害者からの意見もあり、世代間の相互扶助というコンセプトをより具体的に表現するものとして「助け合いサイン」の方がよいという提言を受け入れて、名称を変更した。 研究データとしてNPO手話技能検定協会の協力を得て、第28回から第37回の手話検定試験の6級及び5級受験者合計3,450名の成績を入手し、その中から正解率100%の語彙67語を抽出した。受験者の100%が正解という特異な語彙は学習が易しいというだけでなく、一般に理解が易しく、その原因は身振りとの関連が強いとの仮定を設定した。これらの語彙を、記号の透明度(学習なしに意味が推定できる度合い)と身振り語源、数字などの象徴性(指の数)、CL(モノの形を象形する形態素)という構成素の観点から相関関係を分析した結果、透明性は身振り、象徴性、CLとの強い関連があることが証明された。即ち、これらの語彙が助け合いサインとして活用できることを強く示唆していると同時に、手話学習において、これらの要因により難易度を測定すれば、効率のよい学習効果が得られることが証明された。 設問語彙は67語だが、手話検定では例題があり、その中に「男」「女」「私」のように、透明度の高い語彙が含まれている。そこで本研究では最終的にその3語を加えた70語を助け合いサインの第1レベル語彙とした。
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