2012 Fiscal Year Research-status Report
日中対照に基づく、若者のネット・ケータイによる情報行動の実証的研究
Project/Area Number |
23652100
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Research Institution | Prefectural University of Hiroshima |
Principal Investigator |
友定 賢治 県立広島大学, 保健福祉学部, 教授 (80101632)
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Keywords | ネット・ケータイ / 情報行動 / 若者 / 中国・日本 / 対照研究 |
Research Abstract |
今年度は、日中双方で、調査項目・調査方法等を綿密に協議して、ネット用語の広がりに関するアンケート調査を行った。調査地点は、日本は首都圏・関西・広島であり、中国は南京・上海・西安である。この調査により、ネット用語の広がり方には地域差があり、単にネットに接する時間だけではないことが明確になった。日本について、首都圏では調査語が平均的に中心部から周辺部に向かって広がる傾向があるのに対し、関西では、広がる語に、いわゆる面白い語といった偏りが見られた。中国側の3地点では、教育レベルが大きくかかわっているとの結果になった。 その調査結果を持ち寄り、2013年3月にバンコクで開催された「第一回アジア未来会議」(渥美国際財団主催)で、セッションを設け議論した。この中で、次年度は、さらに調査語や調査方法を共通化するとともに、調査地点を中国国内で増やし、東北部や南部でも行うこととした。加えて、首都の北京と日本の首都圏との調査をより厳密に行い、対照言語学的な議論に耐えうるものにすることとした。そして、第2回アジア未来会議(2014年8月予定 バリ島)でやはりセッションを設けて、議論を深めるつもりである。 また、次年度、「第11回 都市言語研究国際セミナー」を広島で開催することを決定し、そのメインテーマを「メディアと言語」として、中国やヨーロッパでの状況について、一層議論を深めることになった。そのセミナー用のWEBサイトを2013年2月に立ち上げた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究に携わる日本・中国の研究者の連携が確立し、調査方法等について議論が深まり、それに基づいた、ネット用語の広がりについての調査が、日中それぞれで複数地点行うことができた。対照言語学的な研究が進んでいる。その調査結果からは、ネット用語の広がりに関する地域性や条件が明らかになり、日中での相違も見えてきている。 第一回アジア未来会議でセッションを設けることができて、アジア各国の研究者と議論できたことにより、ネット用語をさらに広げることが可能になった。
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Strategy for Future Research Activity |
中国国内での調査地点を増やし、地域性を明確にしていく。また、首都の北京と日本の首都圏との調査について、厳密な協議に基づいて、対照言語核的な成果とする。 言語行動面からの調査をすすめ、コミュニケーションにおけるネット・ケータイ等の位置づけについて、日中での相違を明らかにしていく。 第11回都市言語研究国際セミナーにおいて、中国・ヨーロッパ等の状況を把握し、より広く調査をすすめる。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
主な使用計画は次のとおりである。①次年度の研究計画打ち合わせ会議のための旅費、②中国調査に関する打ち合わせのための中国出張旅費、③日本・中国での調査に関わる費用と、外注する調査結果の入力費、④第11回都市言語研究国際セミナーに関わる費用、⑤2014年3月に予定している研究成果報告会の旅費と費用
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Research Products
(9 results)