2011 Fiscal Year Annual Research Report
学術英語テクストの分析を英語論文ライティングサポートに繋げる研究システム整備
Project/Area Number |
23652108
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Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
崎村 耕二 京都工芸繊維大学, 工芸科学研究科, 教授 (50162326)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2012-03-31
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Keywords | 学術英語 / ライティング / テクスト分析 |
Research Abstract |
主に京都大学大学院に所属する若手の研究者へアンケート調査を行うことによって(1)学術目的での英語の必要性,(2)研究現場における英語への意識,(3)困難への取り組みの実態と解決法,等を調査した(回答320名)。その結果次のような実態を確認することができた。研究成果を英語論文にまとめ国際的ジャーナルに投稿する必要性は極めて高い,という認識は共有されており,その現実的要請に応じるべく日々努力している。ただし,すでに教育課程を修了している独立した研究者においては,教育的なサポートを受けながらライティング技能を充実させることよりも,英文添削の専門業者等を利用して原稿の質を向上させる等,成果物自体の質の向上に努力が向けられる傾向がある。一方,経費面を含めた組織的なサポートが得られないまま,論文作成準備を巡る大きな負担を個人で抱え込んでいる実態も存在する。国際学会については,質疑応答の場面での英語の受け答え技能が低い,という指摘が目立った。ただし,この方面の能力は実地の経験を積み重ねる(あるいは「場数を踏む」)ことが重要である,という意識は強く伺えた。以上のような実態を踏まえて,国内のライティング支援センター等(東京大学・熊本大学等)の訪問調査,学術英語研究会(平成24年3月20日)におけるパネルディスカッション(英文添削の大手専門業者の発表,フロアとの意見交換等)を行い,日本の研究者たちはどのようなサポートを求めているかについて考察をした。その結果つぎのような展望を持つことができた。(1)英文添削の専門業者等の活用に大きな成果が期待されるが,大学等の研究機関が組織的に,経費面などでサポートしていくことが求められる。あわせて英文添削のありかたそのものに関する研究が求められる。(2)学術目的に対応したライティング支援ツールの開発・利用が有効な手段である。(3)研究者向けの学術英語ワークショップ等の開催が求められる。
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