2011 Fiscal Year Research-status Report
エージェントを介した双方向・適応型日本語Eラーニングシステムの研究と開発
Project/Area Number |
23652111
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
今井 新悟 筑波大学, 人文社会系, 教授 (50346582)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古川 雅子 筑波大学, 留学生センター, 研究員 (20617287)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 教育工学 / 教材 / 教育メディア / エージェント |
Research Abstract |
日本語・日本事情遠隔教育拠点事業と連携して以下を実施した。(1)コンテンツ作成:『Situational Functional Japanese』の原稿データをスキャンしてOCR で認識させて、デジタル化した。デジタル化したテキストにより語彙検索を可能にした。レッスンごとの学習項目とそれに対応するCan-doステートメントのプロトタイプを作成した。大項目であるUnitおよび小項目であるLessonに分けて、全体の構成を決めた。(2)システム構築:Learning Manage SystemおよびSocial Network Serviceのシステムを構築した。(3)音声認識:音声認識システムの評価を行った。以下の3点において、非母語話者による日本語eラーニングにはJuliusよりもGoogleの音声認識システムが向いていることが明らかになった。1)発話の自由度が高いこと、2)非母語話者の発音の認識、3)非母語話者の非文の認識。ここのため、当初予定のJuliusに代えて、Googleの音声認識システムを採用することとし、Googleの音声認識システムを組み込んだ双方向のプロトタイプを製作した。(4)エージェント作成:人間の写真をもとにしたものとイラスト・漫画的なものの中間を狙ったエージェントのキャラクターモデル(アバター)をデザインした。これは「恐怖の谷」と言われるエージェントの気持ち悪さを避け、かつ現実離れし過ぎるイラスト・漫画調を避けた結果である。キャラクターモデルの性別・人種が学習効果に影響を与える可能性があるので、男女別に複数のキャラクターモデルのプロトタイプを製作した。本研究の成果をeラーニング教材に反映させることにより、従来よりも内容が分かりやすくなり、かつ学習者の持続性を高めることができると予想される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
筑波大学留学生センターが認定を受けた「大学共同利用拠点 日本語・日本事情遠隔教育拠点」でエージェントを利用したeラーニング教材を製作することとなり、また、本研究代表者がそのプロジェクトの責任者となったことから、本研究と同拠点事業と連携して推進することとした。そのため、当初の計画以上に本研究を遂行する環境が整ったため。
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Strategy for Future Research Activity |
(1)コンテンツ作成:前年度に引き続き、教材コンテンツを作成する。その際、エージェントを効果的に配置・利用する方法について検討する。3Dのみならず、2Dのエージェントの製作・利用についても検討する。(2)Learning Management System (LMS)の動作検証・改良:前年度に製作したLMSの動作検証を行いながら、ユーザー認証、ユーザー管理、履歴管理などの機能の改良を重ねる。当初予定ではLMSを適応型(アダプティブ)にする予定であったが、適応型とリニアー型を比較検討して、eラーニングにより適当なものを選定する。これに、音声認識、音声合成、エージェントの各機能を付加することによってe ラーニングシステムを構築する。(3)音声認識:LMSにGoogle音声認識APIを組み込んで、評価する。(4)MMD フォーマットによるアクションパーツデータベース構築:エージェントに動作(アクション)させるためには、プログラムが必要であるが、これらはMMDのフォーマットでWEB 上に多数無料公開ものを収集する。これにより、エージェントの3Dモーションを普通のアニメーションの3倍以上の細かさである30 フレーム/秒で、しかも、アニメーション作製に比べて少ない工数で作製できるようにする。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
教材コンテンツに使用する3Dエージェントのモデルを作成しているが、さらにそれにモーションをつけるためのにソフトウエアを購入する。3Dだけではなく、2Dのエージェントの使用の可能性を検証するために、2Dエージェントを製作する。それを実施するためのソフトウエアを購入する。Learning Management SystemにGoogle音声認識APIを組み込んで、インターラクティブな学習ができるようにする。そのシステムの構築の方法およびそのシステムの効果を評価するための作業費として人件費・謝金を計上する。本研究を推進するための情報収集および成果発表のための出張費を計上する。なお、F-6-1(収支状況報告書)に記載の次年度使用額については、24年3月に購入した物品費や学会発表のための旅費および参加費用などに支出先が決まっている。
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