2012 Fiscal Year Annual Research Report
ラーニングヒストリーから見たベトナム人日本語学習者の発音習得ストラテジーの研究
Project/Area Number |
23652114
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
松田 真希子 金沢大学, 留学生センター, 准教授 (10361932)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金村 久美 名古屋大学, 法学(政治学)研究科(研究院), 講師 (20424955)
深川 美帆 金沢大学, 留学生センター, 准教授 (00583171)
林 良子 神戸大学, その他の研究科, 准教授 (20347785)
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Keywords | 音声教育 / 韻律 / ラーニングヒストリー / 喉頭の緊張 / ベトナム人 |
Research Abstract |
ベトナム人の発音の不自然さには1)単音レベルの異なり,2)声調の干渉,3)喉の緊張の干渉,4)長さの対立の有無,等様々な要因がある.本研究では,音声コミュニケーション上の問題点,母語話者の聴覚印象について分析した.また,ベトナム語母語話者における日本語の発音熟達者のラーニングヒストリーに関する聞き取り調査から,ベトナム語母語話者のための音声教育の在り方について検討した.成果は以下のとおりである. 1)日本語力が上級レベルのベトナム語,タイ語,中国語,韓国語母語話者が同一の日本語テキストを読み上げたものを日本語母語話者に評価させる聴覚印象調査を実施した.その結果,ベトナム語母語話者の日本語音声の産出は他の外国語話者(韓国語,中国語,タイ語)に比べ自然さも印象も数値が低かった.特にアクセント,リズムなどの韻律面での評価が低かった. 2)読み上げ音声の分析により、ベトナム人日本語学習者の喉頭の緊張の強さが不自然さの要因の一つであることを確認した。 3)シャドーイングを用いた発音訓練前後のベトナム人日本語学習者の発音の韻律的特徴を分析したところ、発話速度、フレージング、文末イントネーション、語アクセントなどにおける問題点が明確になり、これらの多くにはシャドーイングの訓練がある程度有効であることが示された。 4)ベトナム人の発音熟達者のラーニングヒストリー調査を通じて,発音熟達者は共通して「高さ」(イントネーション、アクセント )に対する意識が強いことが明らかにした.また,発音のGood learnerには,母語の干渉による不自然な発音を別の要素(談話展開等)でカバーしているケースや,分析的に発音について考えながら自然な発音を身に付けたケースがあることを明らかにした。
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Research Products
(7 results)