2011 Fiscal Year Research-status Report
韓国の中等教育機関における校内英語定期テスト問題データベースの構築
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23652130
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
靜 哲人 埼玉大学, 教育学部, 教授 (60270211)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 韓国 / 英語テスト / 定期テスト |
Research Abstract |
資料収集のために韓国のソウルを2度訪問し、合計3校の高校を訪問し、授業を視察し、かつ当該高校で実施された過去の定期試験問題を収集した。具体的には、Buram High School(32セット), Yonsan High School(4セット), Apqujeong High School(12セット) を訪問し、計48セットを収集した。また出題者の教師に聞き取り調査を行った。 収集した定期試験問題はもともとpdfファイルであったものをデジタルデータとして供与された場合と、紙媒体の複写物として供与された場合があった。紙媒体であった場合はすべてスキャナーで取り込みpdfファイル化した。 本文が英語であるとは言え、指示文がすべて韓国語であったため翻訳する必要があり、そのために翻訳業者を選定し依頼した。それに先立って、翻訳すべきハングル部分にファイル毎に連番を(PFFファイル内に)振る、という作業を行った。現在翻訳作業が完了し、手元に48セットの高校の問題と、その指示文を和訳したデータが揃っている。 韓国の定期試験は、大学入学統一英語試験(通称Korean SAT)の内容に強く影響されているため、その統一試験も併せて検討する必要があった。このためインターネット上に公開されている2010年、2011年、2012年受験用のKorean SATの問題をダウンロードし、学生補助(韓国からの留学生)に依頼して、翻訳作業を完了した。 これらのデータをもとに今後は問題の類型化、分類を進めていく ただし現在収集できたのはすべて高校の問題であるので、今後は中学の問題を収集する計画である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初計画によれば1年目は中学校を訪問しテストデータを収集するはずであったが、実際にコンタクトできた相手が高校教員だったため収集できたのは高校のテストとなった。また収集した問題の分類作業は、中学・高校のデータがすべて揃ってからのほうが基準が作りやすいと判断し、計画書に記述したような言語テスト専門家チームによる分類作業は一年目は行わなかった。また授業の撮影は当初考えたよりも担当者および学校長などの抵抗が強く、一件しか行えなかった。 以上のように細部では当初の計画と異なる点はあるが、高校レベルの問題を50セット近く収集し、翻訳も完了したという実績は、概ね順調であると、自己評価できる。
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Strategy for Future Research Activity |
2年目については中学校を訪問し、20~40セット程度の定期試験を収集する。出張の回数は2回程度、訪問する中学校は5校程度を目指す。収集したデータは1年目と同様の手順で韓国語部分を翻訳する。ここまでは24年度に完了する。 すべてのデータが揃った時点で、複数の国内言語テスト研究者の協力を仰ぎ、問題の分類、評価作業を行う。これは24年度から25年度にかけて行う。 最後にその結果を成果物としてまとめ、できるかぎり広く国内の中学・高校に配布する。 なお当初計画していた授業録画データの分析は実現可能性が低いことが判明したため、今回の研究には含めないこととしたい。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
データ収集の旅費として20万円程度(1回の出張に10万円程度で2回)、データの翻訳に15万円程度、問題の分類作業の謝金として10万程度、国内学会での発表のために5万円程度、韓国の英語教科書等の物品購入に10万円程度、の執行を計画している。
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