2011 Fiscal Year Research-status Report
問題解決に資する歴史研究法および教材の開発-19世紀ジャワ島を事例として
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23652163
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
大橋 厚子 名古屋大学, 国際開発研究科, 教授 (80311710)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | Eラーニングコンテンツ / 東南アジア史 / 社会経済史 / 世界史 / 国際情報交流 / インドネシア |
Research Abstract |
初年度はEラーニング教材のコンテンツについて2種類のストーリー、構成、本文作りに集中した。1)コンテンツのひとつは、一般の知識人に「強制栽培制度」を理解してもらうための導入部であり、ジャワ島と日本の歴史を比較するものである。所属部局である国際開発研究科で留学生に向けてのオムニバス授業(6月8日、英語)、および同研究科の公開講座(オムニバス12月6日、日本語)においてコンテンツを利用して講演し、フィードバックを得た。さらにインドネシア人ジャーナリストからもコメントを得た。2)いまひとつはジャワ島における「強制栽培制度導入」には国際的契機が重要であったことを主張する論文をそのまま内容とするものである。大学教員と高校教諭の参加する「第50回大阪歴史教育研究会」(4月16日)において報告してフィードバックを得、一般向けのニュースレターにストーリーを書く(10月発表)一方で、英文論文としても公刊した(2012年3月)。3)このほか、コンテンツを理解しやすくするために、より巨視的な観点からジャワ島の歴史および強制栽培制度を世界史の中へ位置付ける枠組を試行的に組み立てた(2012年5月公刊予定)。平成23年度の1)と3)の成果を第二回アジア世界史大会(ソウル)において発表予定である(5月28日)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度はEラーニング教材のコンテンツについて2種類のストーリー、構成、本文作りに集中した。平成23年度の交付額が、科研申請当初の50%であったが、さらに支給額が交付額の70%となる可能性があった。そこで支給額が計画当初の35%となる可能性が生じたため、夏期休暇中に実施する海外でのビジュアル資料収集を平成24年度に延期した。また研究成果を発表して各国研究者にコメントを得る適当な国際学会を平成24年度5月開催となる第二回アジア世界史学会大会とした。これに代わって平成23年度は、当年度と24年度に実施する計画であったコンテンツのストーリー、構成、本文作りを前倒しして集中的に実施した。さらにインドネシア語に翻訳しやすいように、入門編につき英語版を作成した。
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Strategy for Future Research Activity |
平成24年度には次の作業をする。1)国際学会でEラーニングコンテンツ作成について発表して各国の研究者からコメントを得る。2)効果的なヴィジュアル史資料を得るためにインドネシア・オランダなどへ調査に行く。3)インドネシアなどから知識人を招聘してコメントを得る。4)技術を持つ学生の補助を得て日本語版を作成して教員、学生などに使用してもらいフィードバックを得る。4)コンテンツを理解しやすくする一環として、引き続き、巨視的な観点からジャワ島の歴史および強制栽培制度を世界史の中へ位置付ける枠組を開発するとともに、強制栽培制度の個別研究を進展させる。平成25年度には、以上と同様の手順によってインドネシア語版を完成させる。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成23年度の繰越金についてはおおよそ次のように支出する。国際学会におけるインドネシア人学生との共同発表、および開催地ソウルにおける資料収集資料収集に20万円、国際ワークショップおよび学会発表用の英文校閲に5万円、オランダあるいはインドネシアにおける史資料収集に35万円使用する。平成24年度の交付金についてはおおよそ次のように支出する。インドネシアあるいはオランダにおける史資料収集に40万円、インドネシア人知識人招聘に30万円、コンテンツ作成のための謝金および諸費用に20万円を支出する。
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