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2011 Fiscal Year Research-status Report

現代日本社会におけるグローバル化する性産業についての文化人類学的研究

Research Project

Project/Area Number 23652189
Research InstitutionKyoto University

Principal Investigator

田中 雅一  京都大学, 人文科学研究所, 教授 (00188335)

Project Period (FY) 2011-04-28 – 2014-03-31
Keywordsセックスワーク / セックスワーカー / 売春 / ジェンダー / セクシュアリティ / 感情労働 / 移民 / エロス
Research Abstract

本研究は、現代日本社会における買売春を核とする性産業をグローバル化との関係で考察することを目的とする。3年間の研究期間内に性産業の実態、とくにそこに従事する様々な人々の諸実践に注目する。本研究では以下の3つが主たる活動となる。1)関連文献・資料の組織的な収集と分析、2)関西と沖縄、東京、名古屋、比較のためのアムステルダムでの性産業の実態調査、3)研究会の開催等を通じての研究者間のネットワークの確立。本研究では、グローバル化する性産業の実証的な研究の可能性を探求し、グローバル化という現代的状況を踏まえ、将来のジェンダー・セクシュアリティ研究における理論的方向を提示する。方法論的には、参与観察とライフ・ストーリーの手法を使って性産業に従事する人々について調査する。また、本研究ではミクロ(人、身体、感情)とマクロ(法律、資本、メディアにおける表象)とを結びつけ、エロスと反エロスという分析枠組(後述)を使って分析を行うことで新たな分析モデルを提案する。初年度は、東京、京都、大阪を中心にセックスワーカー、延べ14人にインタビューを行った。ほとんど日本人だが、韓国人セックスワーカーとのインタビューも実施した。また、韓国の性産業についても予備的な調査を行った。韓国ではフィリピン人と韓国人のセックスワーカーと話をすることができた。日本や中東などでも働いている。10月にはロンドンで開催されたセックスワーカーたちのワークショップに参加し、ドイツやアメリカの自助団体と交流することができた。アムステルダムではジャマイカとルーマニアのセックスワーカーと話をし、セックスワーカーたちの自助グループと交流した。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

1: Research has progressed more than it was originally planned.

Reason

当初困難を極めると予想していたが、セックスワーカーからの聞き取りが順調に進んだ。また、当事者たちの自助集団と交流することで、より立体的に日本やそれ以外の国のセックスワークの状況を理解することができた。2年目には、成果をもとに文化人類学会研究大会で発表予定である。また、台湾、韓国、オーストラリア、日本をそれぞれ拠点とし、セックスワーカーの社会的地位向上を目指す団体の関係者たちによる国際ワークショップを企画することができた(開催は2012年5月)。今後の国際協力への第一歩となるはずである。移譲から、当初の計画以上に進展していると判断した。

Strategy for Future Research Activity

1)研究書を含む関連文献・資料の組織的な収集と分析:性産業に関わる研究書は少ないが、ルポルタージュなどの一般書はたくさん出版されている。これらを中心に購入する。ジェンダーやセクシュアリティについての関連文献を購入する。関連経費は備品と文献資料整理のための謝金である。2)国内外でのフィールドワーク:国内の調査地を継続する。国外についてはアムステルダムの赤線地帯で引き続き調査を行う。関連経費は交通費、宿泊費、日当、また調査地で専門的知識を提供してくれる人たちへの謝金である。3)研究者間のネットワークの確立:HPを立ち上げ、京都大学での研究会を含む定期的な交流を、性産業に関心のある研究者やそれ以外の人たちと行う。関連経費は研究補助(ホームページの維持、データベース化など)のための謝金である。 また、初年度の成果公表を学会や関連研究会で行う。最終年度は、京都と大阪のフォローアップ調査、学会報告や論文の公刊など、これまでの調査の報告をまとめ公刊する。文献資料を購入する。3年目は東京での学会や意見交換を想定して旅費を計上している。成果に関わるワークショップを京都で開催する。関連経費は会議費である。成果公刊については日本語論文だけでなく英語論文の投稿を行う。関連経費は英語の校閲費、また報告書の作成にあたって報告書作成費を計上している。本研究をもとに複数の分担者からなるあらたなプロジェクトの準備を行い10月の科学研究費補助金に申請する。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

国内旅費については東京での聞き取り調査(3回)、国外旅費はアムステルダムと台湾での調査、オーストラリアからの国際ワークショップへの参加・発表者招聘に関わる旅費、東京、京都、大阪でのセックスワーカーあるいは関係者へのインタビューにおける謝礼などを止揚する予定である。

  • Research Products

    (3 results)

All 2012

All Journal Article (2 results) (of which Peer Reviewed: 1 results) Presentation (1 results)

  • [Journal Article] コンタクト・ゾーンとしての占領期ニッポン  「基地の女たち」をめぐって2012

    • Author(s)
      田中雅一
    • Journal Title

      コンタクト・ゾーン

      Volume: 4 Pages: 163-189

  • [Journal Article] 名誉殺人  現代インドにおける女性への暴力2012

    • Author(s)
      田中雅一
    • Journal Title

      現代インド研究

      Volume: 2 Pages: 59-77

    • Peer Reviewed
  • [Presentation] トラウマ経験とインナーチャイルド:セックスワーカーのライフ・ストーリー調査から2012

    • Author(s)
      田中雅一
    • Organizer
      トラウマ経験と記憶の組織化をめぐる領域横断的研究(研究会)
    • Place of Presentation
      京都大学
    • Year and Date
      2012年6月20日

URL: 

Published: 2013-07-10  

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