2012 Fiscal Year Research-status Report
トランス・ジェンダーの医療人類学、タイと日本の比較研究
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23652198
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Research Institution | 藍野大学短期大学部 |
Principal Investigator |
高垣 政雄 藍野大学短期大学部, その他部局等, 教授 (70252533)
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Keywords | 医療人類学 タイと日本 |
Research Abstract |
当初の研究計画に従って順調に研究を進めている。24年度は二度のタイフィールドワークを行い、23年度成果と会わせて研究をまとめ京都大学修士論文『トランスセクシュアルの臨床人類学』として提出し審査の結果受理された。成果の一部は『トランスセクシュアルの医療人類学』と題して平成25年3月30日日本文化人類学会近畿地区懇談会(於 国立民族博物館)において口頭発表した。これにより研究代表者は京都大学修士(人間・環境学)を授与された。工学修士、医学博士に続く京都大学より授与された3つめの学位である。本研究費に心より感謝する。 さらに成果の一部は総説『ジェンダーと身体の狭間で苦悩する性の救済ー性同一性障害の理解と看護ケアの為の医療人類学』を藍野大学紀要に投稿し現在査読中である。 タイでのフィールドワークの成果として2014年タイで開催されるWPATH(World Professional Association for Transgender Health)国際シンポジウムのco-chairとしてScientifc Committeeメンバーに選出された。 藍野大学短期大学部専攻科ジェンダーゼミ(医療人類学)で1年間6名の学生指導を行い24年度卒業論文『トランスジェンダーの現状と地域で活動する看護職ができること~当事者が望む「心の性」で生きるためには~』をまとめ卒業論文集に掲載した。 京都大学関連病院(京都きづ川病院)において引き続きジェンダー外来を行い、当事者へのカウンセリングや治療を行っている(<http://www.kyoto-keishinkai.or.jp/kizugawa/gairai/gender/index.html>)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
京都大学修士学位論文として受理されたことは研究代表者にとって達成目標の大きな一つであった。さらに研究を展開するために同博士後期課程に進学が許可され更なる研究に繋げることができることで本研究の達成度は大きいと自己評価している。
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Strategy for Future Research Activity |
タイと日本を中心としたフィールドワークを引き続き行い、博士後期課程の研究として展開する。本研究最終年度であるため成果のまとめを行って行く。成果の多くは複数の論文として既に執筆中である、また2014年2月バンコクで開催されるWPATH国会シンポジウムでも口頭発表を予定している。25年度の藍野大学短期大学部専攻科ジェンダーゼミにおいて5名の学生指導を行う。ジェンダー外来での3年度分の研究総括を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
引き続きタイと日本のフィールドワークを行う他、当初の計画の通り研究最終年度となるので研究成果の発表と業績集作成を行うためにほぼ十分な経費を残している。
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