2012 Fiscal Year Research-status Report
「文学と裁判」研究の将来展開のための基礎的比較研究
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23653026
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
川嶋 四郎 同志社大学, 法学部, 教授 (70195080)
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Keywords | 民事裁判 / 刑事裁判 / 法教育 / 文学 / 法科大学院教育 / 司法制度 / 法的救済 / 手続 |
Research Abstract |
本研究課題である「『文学と裁判』研究の将来展開のための基礎的比較研究」は、これまで日本ではほとんど論じられることがなかった「法と文学」研究の基礎的視角の下で「文学に見る民事裁判」研究の基礎を獲得することを目的とする。それに加えて、民事裁判等の研究のみならず教育実践にも重きを置いて、具体的な「民事訴訟法教育(この場合は、広義の民事訴訟法教育を意味する。)」・「民事紛争処理教育」・「法教育」・「法学教育(法曹養成教育)」に生かすための諸提言を行い、そのための諸資料を創発的に考案し公表実践することを目的とする。 その成果を、民事訴訟法の体系書・概説書および、論文等として公刊することを企図している。 このような挑戦的な意味合いをもつ新奇性のある萌芽研究の着想は、市民のための民事裁判の実現のための強い学問的な希求によるものであり、まず、本研究の「基礎形成期」である本年度においては、まず、アメリカにおけるRichard A. Posner, Law and Literature, Harvard University Pressの最新版に基づいた研究をはじめ、本研究課題に関する基本的な研究の指針を獲得することに努めた。 これらの準備的な調査・研究は、今後における「法と文学」の議論を深化させ、諸種の教育の局面でその成果を実践しているアメリカ合衆国において、海外調査を実施し、アメリカにおける「法と文学」の展開の跡をたどり、現代的な展開を研究するための予備的な研究として位置づけられる。特に、本年度には、大学およびその他の各種教育機関(特に、高等学校等)における「法教育」・「法学教育」・「法曹養成教育」のために、「教材のサンプル」の作成を行うことを計画し、その作成作業にも着手することができ、単著『民事訴訟法概説』等に、結実させることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は2年目であり、研究目的および研究実施計画に従い、研究課題を実現するための基礎資料(基礎文献など)を収集することに努め、その一部の成果を公刊することができた。 また、「法と裁判」研究に不可欠なフィールド・ワークも行うことができ、今後の研究の基礎を、ある程度得ることができたので、進捗状況として、(2)と評価した。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究においても、基本的には本年度の研究をより一層促進させ、大学およびその他の各種教育機関における「法教育」・「法学教育」・「法曹養成教育」のために、アメリカにおける教育実践とそのテキストを参考にして、「教材のサンプル」の作成を推進していきたい。 また、法学研究者、法科大学院学生、学部学生、弁護士、調停委員等のために、研究成果を、公開し、意見意見交換を行いたい。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
これまでの研究や公表等で獲得した基本的指針を前提として、「法と文学」の議論を深化させ、諸種の教育の局面で実践しているアメリカ合衆国において、海外調査を実施したい。また、アメリカにおける「法と文学」の教育実践についても、調査したい。第1期に引き続いて、基礎的な文献の研究・分析を含め、資料収集にも努力したい。
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