2011 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
23653028
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
宮崎 秀一 弘前大学, 教育学部, 教授 (60166147)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
飯 考行 弘前大学, 人文学部, 准教授 (40367016)
平野 潔 弘前大学, 人文学部, 准教授 (70400124)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 裁判員裁判 |
Research Abstract |
本研究は、裁判員制度の一層円滑な実施と改善とを目的に、「国民の司法参加」を標榜する裁判員制度の核心である「一市民としての裁判員」という視点からこの制度の有効性および課題について検証を行うことを目的とする。検証の手法は、「裁判員裁判法廷傍聴」・「裁判員経験者インタビュー」・「模擬裁判員裁判」を予定し、以下の通り実践した。裁判員裁判法廷傍聴による裁判員発言の筆記収集(モニタリング)は、青森地方裁判所における平成23年度開催のほぼすべての裁判員裁判について、研究代表者、研究分担者および筆記アルバイトにより、実施することができた。メディア報道に漏れのある発言内容が多く、筆記収集物は裁判員の思考様式を検討するうえで貴重な資料を集積しつつある。裁判員経験者インタビューは、質問事項の確定後、経験者へのアクセスが難しい中、平成23年度中に東京2名、大阪3名、青森1名に対して実施した。裁判員の職務および就任前後の変化の有無と内容を中心とする質問を、インタビュー形式で問う形式で、裁判員体験をどのように感じたのか、経験した市民間の異同とその背景を考察する上で有益な資料をもたらしつつある。また、裁判員経験者を含むシンポジウムを2度実施し、同様の成果を得ることができた。模擬裁判員裁判は、外部に出張する模擬裁判員裁判教室を、青森県内の高等学校、公民館、公共施設で実施した。学内サークルの大学祭時の模擬裁判員裁判上演を、シナリオ作成を含めて指導した。学内教養科目(研究代表者、研究分担者で担当)で、授業の一環として、模擬裁判のシナリオ作成から上演までを実習させた。実際の裁判員裁判を傍聴した学生による模擬評議も2度行った。以上の模擬裁判員裁判の上演時の裁判員役担当者の意見交換内容および傍聴者に記入を求めるアンケート結果は、市民の裁判員体験シミュレーションにもとづく研究を可能にしつつある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究初年度に当たる平成23年度は、研究実績概要に記載のとおり、裁判傍聴、模擬裁判、裁判員経験者への聞き取りの各調査作業がほぼ計画通り進捗し、その成果の一部を学会・研究会において発表し、学内紀要にも執筆、さらには調査結果を検証するためシンポジウムを開催することができた。 一方、裁判員裁判法廷傍聴は、青森地方裁判所で実施されたほぼすべての事件で行ったが、研究代表者、研究分担者および筆記アルバイトの日程の合わない時間帯があり、若干の漏れがあった。裁判員経験者インタビューは、件数を重ねつつあるが、経験者へのアクセスに困難があり、いまだ蓄積が多いとは言えない。模擬裁判員裁判は、多様な方法で実施・指導しつつあるが、評議過程の分析は今後の課題である。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度は研究計画通り、裁判員裁判傍聴、裁判員経験者インタビュー、模擬裁判員裁判のそれぞれの取り組みで件数を重ねるとともに、分析手法に工夫を凝らすことにも心がける。同年度秋には評議会話分析の専門研究者を交えたシンポジウムの開催を予定している。平成23、24年度の研究成果は、平成25年度に日本法社会学会学術大会等で報告して広く批判を仰ぎ、いっそうの研究の推進をはかる予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
24年度は、模擬裁判の開催およびアンケート調査の比重を抑え、裁判傍聴および裁判員経験者への聞き取り調査を通じた制度検証に重点を置くこととする。25年度は、青森県以外の地域に調査範囲を拡げ、3年間の調査研究を総括するため、学会、研究会等において成果を発表する。
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