2012 Fiscal Year Annual Research Report
リスクに対する政策過程の研究‐新型インフルエンザを事例として‐
Project/Area Number |
23653039
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
宮脇 健 日本大学, 法学部, 助手 (20551617)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
笹岡 伸矢 広島修道大学, 法学部, 准教授 (70409431)
小松 志朗 明治大学, 公私立大学の部局等, 研究員 (40507109)
高橋 幸子 帝京大学, 医療技術学部, 助教 (30582837)
小森 雄太 明治大学, 公私立大学の部局等, 研究員 (70584423)
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Keywords | リスク / 政策過程 / 新型インフルエンザ / 専門家 |
Research Abstract |
本研究課題は2009年の新型インフルエンザ対応の課題とジレンマを事例にリスクへの政府の対応とそれを実施する自治体との関係性を想定した政策過程分析の枠組みの構築を図るものである。 本研究課題では、新型インフルエンザへの中央政府及び地方自治体による対応に影響を与えた要因について、5つの行政対応に着目し、「新型インフルエンザに対する政府の基本方針」及び「政府の基本方針に対する地方自治体の反応・行政対応」という2層構造の従属変数を設定し、政府と自治体に影響を与える構造(過去の経験)、制度、アクター(ステークホルダー)を独立変数に設定して調査分析を行った。 1年目で科学的根拠の高いと反映される対応が「過少」になり、社会的合理性が高いものが「遅滞」するという結論がでた。その原因として世論が考えられる。 しかしながら、「水際対策」や「ワクチン」の配布、接種回数のように国が主体となり対応を行うものはこのリスク対応があてはまるが、「医療体制」、「サーベイランス」のような対応は、むしろ「遅滞」する原因や「過少」になる原因は上記とは異なることが分かった。 自治体のリソース(危機管理部局の有無、医師の人数、人口規模)や、医師会、専門家などステークホルダー間の関係により影響を受けることが、全国の市に対するアンケート調査の分析結果から明らかになった。つまり、規模の大きな自治体ほど、対応もスムーズであったといえ、規模が小さい自治体ほど新型インフルエンザに対応することが難しく、国の対応に頼らざるを得なかったといえる。
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Research Products
(2 results)