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2012 Fiscal Year Research-status Report

「統治機構のポスト近代」に、民主主義の規範理論はいかに応答可能か?

Research Project

Project/Area Number 23653041
Research InstitutionKinki University

Principal Investigator

大西 弘子(岡部弘子)  近畿大学, その他部局等, 講師 (00517394)

Keywordsガバナンス / 正統性 / 討議デモクラシー / フェデラリズム / ポリティ / 管轄権 / ポリセントリシティ
Research Abstract

本研究の問いは「統治機構のポスト近代に、民主主義の規範理論はいかに応答可能か?」である。統治機構のポスト近代が言及されるとき、主要な注目点は、政策決定が垂直方向(異なるレベルの政府アクター)および水平方向(政府・非政府アクター)に流出するところにある。本年度は前者の側面について、民主主義の規範理論に示唆する点を取り出す作業をおこなった。
具体的な考察対象は、現在日本で進行中の第二次分権改革における、主として法学の分野でおこなわれている自治立法権拡充に関する議論(条例による国法の「上書き」論)である。その議論に直接参加するのではなく、議論を言説分析する手法で、改革のアイデアのコンテストに現れているポリティ概念のシフトを同定することを試みた。その結果、自治立法権拡充の法制度改正に関する諸アイデアは、三点、すなわちポリティの管轄権の「多元化・不確定化・重層化」とも呼ぶべき、民主制が機能する条件の変容を示唆していると同時に、そこに管轄権の「多元化・不確定化・重層化」を正当と捉えるかどうかをめぐって、種差と対立があることが明らかとなった。従来の民主制論においては、あるポリティは、地理的のみならず政策領域的にも管轄権が排他的に完結している場合に、すなわち他から関与を受けない場合に自律性をもつと考えられることが多かったと言えるが、現今の法学の議論を分析することにより、それとは異なるポリティの自律性の考え方が形成されつつあることが見てとれた。
ポリティの概念は、法という媒体をもちいて民主主義を制度化する単位として、民主主義の規範理論を立論する要件のひとつである。民主主義の規範理論は、上に見た社会的に構築されたものとしての民主制の新しい条件(ポリティの概念)を、政策決定の正統性の根拠づけの立論に組みいれてゆく必要があるという結論である。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

成果発表のペーパーが早いもので13年秋の出版となるため。

Strategy for Future Research Activity

J.Habermasの討議デモクラシー論は、現代における民主主義の規範理論をその成立可能性から問い直して立論したもので、本課題の重要な検討対象であるが、これを政策決定の縦への拡散・横への拡散という文脈においたときに、いかなる含意と限界をもつか見定めることを主要なテーマとする。そのために必要な作業として、フェデラリズムの再構成およびポリセントリシティ概念に関する議論の整理をおこなう。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

該当なし。

  • Research Products

    (1 results)

All 2012

All Presentation (1 results)

  • [Presentation] 自治立法権拡充の三つのアイデア ―― 民主政論からの/への問い2012

    • Author(s)
      大西弘子
    • Organizer
      社会文化学会
    • Place of Presentation
      デザイン・クリエイティブセンター神戸
    • Year and Date
      20121124-20121125

URL: 

Published: 2014-07-24  

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