2011 Fiscal Year Research-status Report
人間本性に基づいた効用理論の導出とその経済学への導入
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23653055
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Research Institution | Meikai University |
Principal Investigator |
影山 純二 明海大学, 経済学部, 准教授 (50337490)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | Utility / Preference / Natural Selection / Relative Concerns / Time Preference / Bioeconomics / Value of Life / Happiness |
Research Abstract |
本研究の研究計画で示したとおり今年度の目標の一つは「効用の相対性およびその所得可変性」に関する論文を仕上げることであり、現在 Working paper化し出版に向けて作業中である。なおこの過程で、2011年度日本経済学会秋季大会と International Conference "Education and the Global Fertility Transition" にて発表し、有益なコメントを得ることができた。さらに VID の Michael Kuhn および MPIDR の Josh Goldstein からも有益なフィードバックを得ることができた。 また、この研究の拡張として計画している性差の導入に関しては、現在モデルの構築中である。さらに新しく本研究の含意として幸福度と教育の関係が示されたので、この点に関しても実証研究を進めている。 一方、本研究のもうひとつの課題である共感に関しては、本分野の第一人者 Arthur Robson が Theory of Mind という形で、共感に関連した研究を行なっていることが明らかになった。そこで共感に関する理論的研究は、彼の研究進展具合を見極めてから取り掛かるかどうか決めることにした。 そのかわりに、子どもの時間選好率について研究を進めた。現在 "Why Are Children Impatient? A Life-history Approach" として Working paper 化し、出版へ向け投稿中である。加えて日本経済学会春季大会において発表予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度の目標の一つは「効用の相対性およびその所得可変性」に関する論文を仕上げることであった。この点については「研究実績の概要」で述べたとおり、ほぼ予定通りと言える。またモデルの拡張に関しても、モデルの構築が進むと共に、新たな研究課題となり得る含意が得られた。 一方、もう一つの目標である共感については大きな進展がなかった。しかし、その代わりに時間選好率に関する研究で大きく進展したので、概ね順調と言える。
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Strategy for Future Research Activity |
まず第一にすべきことは「研究実績の概要」で挙げた出版に向け作業中の論文2本を出版させることである。その上で「効用の相対性およびその所得可変性」の拡張である性差の導入と、含意として得られた幸福度と教育の関係についてまとめ、2本の論文として完成させたい。とくに後者の研究については、今年度出版した2本の論文、Kageyama (2011) "Happiness and Sex Difference in Life Expectancy" Journal of Happiness Studies と Kageyama (2012) "Exploring the Myth of Unhappiness in Former Communist Countries: The Roles of the Sex Gap in Life Expectancy and the Marital Status Composition" Social Indicators Research の成果を応用することにより、研究がスムーズに進展することが予想される。 加えて、テクニカルな点から本研究が Group size や value of life の研究に応用できることがこの3月に行ったMPIDRへの出張でわかった。どれだけ成果が出るかわからないが、この2点に関しては本研究の派生研究として VID の Michael Kuhn と共に研究を進めている。 そして、このような一つ一つの研究を積み重ね、これらの成果を効用理論としてどう社会科学に導入するか、考察していく。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
(1) シカゴ大学で行われる学会 "Biological Basis of Behavior and Preferences" に参加、(2) ウィーンのVIDあるいはロストックのMPIDRにて Michael Kuhn と共同研究を進める、(3) 秋に行われる International Society for Quality-of-Life Studies の学会にて成果発表する、(4) 秋に行われる国際学会 Determinants of Unusual and Differential Longevityにて成果発表する、の4項目を行いたいと考えている。そこで研究費の上限を頭におき、今後の研究の進展状況より優先順位をつけ、研究費を利用していく。
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Research Products
(2 results)