2011 Fiscal Year Research-status Report
不動産価値分析における敷地形状情報対処手法の開発研究
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23653071
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
浅見 泰司 東京大学, 空間情報科学研究センター, 教授 (10192949)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 住宅規模 / 選好 / ヘドニック分析 / 住宅市場 / ネットワーク分析 / 道路ネットワーク / 居住分化 / 世帯収入 |
Research Abstract |
研究で用いるデータベースの構築と基礎的な不動産市場解析を行った。データベース構築については、分析用のデータベースとして、敷地境界のGISデータを整備した。理論開発については、以下の成果を得た。不動産市場における不動産の規模による選好の違いを分析するために、中国北京の中古住宅市場を対象に、床面積による選好度の違いを分析した。中国では急速な市場経済移行により、住宅市場に歪みが生じ、住宅の床面積に関する規制もかけられている。そこで、住宅市場から判明する床面積に対する支払意志額を分析した。結果として、共用面積分を含めて50から60平方メートルおよび80から190平方メートルの規模に対する選好が高いことが示された。また、不動産物件価値にはその住環境も影響するため、狭隘道路の中で、建築基準法上その存在が認められる3項道路適用候補地を自動的に判別するための基礎となる分析手法の検討を行った。結果として、消火活動困難区域の判定方法を空間分析によって行う方法を提示し、道路ネットワークのローカルな形態を判断する方法を開発した。不動産価格は地域の居住する居住者の社会階層構成にも影響されることが指摘されている。そこで、東京都大田区を事例として、小地区ごとに世帯収入分布を推計する手法を提案し、それをもとに、地域内居住分化が進んでいるかどうかを分析した。その結果、近隣移動が居住分化の進展に寄与している可能性が大きいこと、他方で区外からの流入も含めた短期間で大量の人口流入が居住分化を抑制している可能性が大きいことが示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定にあげた、データベースの構築と基礎的な不動産市場解析を行なうことができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
平成23年度に整備した敷地形状データベースと不動産価格情報とをマッチングさせて、ヘドニック分析に適したデータベースにさらに改良を加える。また、適切な敷地形状指標群を検討する。その上で、不動産データベースをもとに、敷地形状指標を求めて、適切なパラメータを求めるためのアルゴリズムを開発する。また、不動産価値に影響すると思われる形状要素を適切に記述できる形状指標を開発する。また、形状指標群と非形状指標群の統計的関係に関する分析を行う。その上で、頑健な形状指標群のあり方を求め、実際にその最適化作業を行う。さらに、引き続き、不動産価値をより適切に分析するための形状指標以外の変数群の選択方法なども検討する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
物品費として書籍購入、データ購入、データバックアップ装置購入、旅費として学会・研究会参加の諸費用、謝金としてデータ操作補助の謝金、その他として英文論文の校正費用、統計ソフトの利用負担金などの使用する予定である。
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Research Products
(5 results)