2012 Fiscal Year Research-status Report
不動産価値分析における敷地形状情報対処手法の開発研究
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23653071
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
浅見 泰司 東京大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (10192949)
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Keywords | マンション家賃 / web情報 / テキストマイニング / ヘドニック分析 / 敷地形状 / 居住満足度 / 居住の質 / 価値観 |
Research Abstract |
不動産市場解析を行ない、敷地形状評価指標について考察し、また、不動産情報が不動産価値に与える影響を分析した。また、関連せて住民の居住満足度に対して、居住属性、物的環境、個人の価値観がどのような影響を与えているかを定量的に分析した。 不動産情報の影響度を分析するために、住宅家賃のデータベースに加えて、webから取得した地域の情報を加えて、賃料に対する影響度を分析した。具体的には、東京23区の賃貸マンションを対象に、地域の評価を示していると思われる形容詞のblog内での出現頻度をもとに、地域の評判に関する指標を作成し、それをヘドニック分析に加えて分析した。分析の結果、街並みの良さや高級感などの定性的な特徴が評判の高い地域において大きな影響を与え、実際にヘドニック分析の精度が上がることを確認した。ただし、賃料がさほど高くない地域での評判情報の寄与は小さかった。 また、居住者が主観的に認識する「居住の質」を考えるに当たって重要な要素となる居住満足度について、東京都および柏市の居住者を対象にアンケート調査をおこない調べた。多数の回答者から得られた結果に基づき、多岐に渡るアンケート項目を信頼性・妥当性のある因子にまとめ、居住満足度と様々な属性変数との関係(居住満足度の評価構造)を明らかにした。特に、居住満足度に与える影響としては、これら居住属性および物的環境にくらべて、個人の価値観によるものの方が大きいという結果である。伝統的および利他的価値観の高い居住者は、満足度全般が高くなっており、さらに現在住んでいる場所に住み続けたいという思いも強い傾向にある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定にあげた、データベースの構築と不動産市場解析を行なうことができているため。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの不動産市場分析の成果を踏まえて、敷地形状分析から得られる、適切な敷地形状のあり方を実証的に分析する。特に、敷地分割ないし敷地統合の適切なあり方やその際の価値評価方法についても考察する。隣地を併合する際には鑑定評価においても、限定価格方式を用いているが、そのためのより精緻な価値評価の基礎付けを与えることができるよう考察を行っていく。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
物品費として書籍購入、データ購入、データバックアップ装置購入、旅費として学会・研究会参加の諸費用、謝金としてデータ操作補助の謝金、その他として英文論文の校正費用、統計ソフトの利用負担金などの使用する予定である。
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Research Products
(5 results)