2013 Fiscal Year Annual Research Report
商品取引所における取引売買再現による価格および流動性の実証研究
Project/Area Number |
23653080
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Research Institution | Wakayama University |
Principal Investigator |
竹内 哲治 和歌山大学, 経済学部, 准教授 (50294294)
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Keywords | 指値注文 / 流動性 / 取消注文 |
Research Abstract |
本研究では,取引所取引における流動性と指値注文の意志決定のメカニズムを分析することが目的である。流動性としては,これまで帳簿上の厚みや約定から求められる加工データをもとにしてきたが,本研究では1次データである注文取引データを用い分析を進めた。注文の意思決定には,指値注文価格ばかりでなく,流動性と深く係わっている行使確率とピッキングリスクが大きく影響し,どの気配に指値を行うか,どのように順位付けに影響しているか,先行研究と同様に東京商品取引所(旧東京工業品取引所)の金先物取引において一部明らかにした。新たに,指値注文の取消における意思決定について,注文の意志決定と非対称な結果を得ている。 なお,研究対象としている期間中に2回の取引時間や取引制度の変更が行われ,分析には非常に興味深く作業を進めていた。しかしながら,データが非常に大きく,かつ,注文から登録や約定までのタイムラグ等の問題や例外処理などにより複雑化および分岐処理の膨大化し,現在も進行中である。これは,注文のコンピュータ化にともない,瞬時の注文と取消が繰り返され,ピッキングオフリスクを回避する行動がとられていることを示唆しており,本研究の目的である流動性に関係がある。特に,指値注文は待ち時間が関係し,取消注文はピッキングオフオフリスクに関係していることを実証分析により示すことを試みている。
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Research Products
(2 results)