2012 Fiscal Year Annual Research Report
LSIとMEMSの融合研究と日本における半導体産業政策の失敗学
Project/Area Number |
23653089
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Research Institution | Sophia University |
Principal Investigator |
上山 隆大 上智大学, 経済学部, 教授 (10193848)
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Keywords | 科学技術政策 / イノベーション / 半導体 / LSI / 青色発光ダイオード |
Research Abstract |
本研究は、トランジスタからIC (integrated circuit)、LSI (large scale integration) さらには VLSI(超 LSI)に至る日本のエレクトロニクス・半導体産業の過去50年間の歴史を「日本の産業政策の失敗学」と位置づけて、90年代以降のグローバルマーケットからの敗退をアカデミックなレベルで捉え直し、さらVLSI とMEMS (micro-electrical mechanical system) の融合へと向かいつつある世界の素材産業拠点と日本の拠点との比較研究を通して、日本の大学研究と企業の成功の可能性とそれを導くための産業政策のあるべき姿を模索するための萌芽的な研究を目指したものである。 日本の半導体技術に関する政策を検証するために、上智大学経済学部の山田幸三教授との共同研究を立ち上げ、共に先行研究の検討を行った。その過程で上山隆大は、日本の半導体研究の中でも、技術史・経営学の立場からの調査研究が不足していると思われた「青色発光ダイオード」に研究テーマを絞り、当時 UC バークレーの研究員であった Christophe Lecuyer 博士と Gallium Nitride に関する研究を行った。半導体の基礎研究の資本文献を調べ、初期の青色発光ダイオードに取り組んだ、アメリカサイドではマルスカをはじめとする数人の研究者、日本サイドでは名古屋大学の赤崎勇、天野浩らへのインタビューを行ない、日本における半導体技術政策の検証を行なった。そこには半導体の基礎研究で成功しながらも商業化のプロセスに政府の技術政策が追いついて行かなかった実態が現れていた。今後はこの萌芽的研究から産まれた共同研究を基盤として、日本の産業政策の検証を行なって行きたい。
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