2012 Fiscal Year Annual Research Report
現れつつある「Ω型経営」の、対話型テキスト分析による析出と財務成果の検討
Project/Area Number |
23653099
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Research Institution | Prefectural University of Hiroshima |
Principal Investigator |
西脇 廣治 県立広島大学, 経営情報学部, 教授 (30140859)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
赤岡 功 県立広島大学, 公私立大学の部局等, その他 (10025190)
平野 実 県立広島大学, 経営情報学部, 教授 (00405507)
井村 直恵 京都産業大学, 経営学部, 准教授 (10367948)
朴 唯新 宇部工業高等専門学校, その他部局等, 准教授 (20435457)
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Keywords | オメガ(Ω)型経営 / 日本的経営 / テキスト分析 / 経済性 |
Research Abstract |
長期の景気低迷とグローバル化の下、経済各方面で規制緩和が進み、先端的企業は従来の日本的経営を変革し、上場廃止や完全子会社化等、従来日本では稀有な方法を果断に採用し、収益性の向上と経営のスピード化を図っている。そしてその成功モデルが、変容されつつ他の企業に伝播し、日本の経済社会に重大な影響を与えつつある。この新たに現れつつある「従来の日本的経営の一部を保ちつつ、市場原理の貫徹度を強める経営」を「オメガ(Ω)型経営」と名付ける。その特性は部分的には捉えられているが、全貌はまだ不明である。この新モデルの姿と登場しつつある過程を、探索的に調査する上では、従来の財務分析手法の他、近年飛躍的に進歩してきているテキスト分析を実施する。 平成24年度の主な業績は、次の通りである。日本の経営方式は、バブル経済の崩壊後、1995年の日経連の「新時代の日本的経営」をいわば分水嶺とし、労働市場での市場原理主義の強化が進められてきた。しかし、それによる問題点も顕在化し、最近では非正規労働者の正規化や技能伝承の問題などその見直しが行われてきている。さらに、「オメガ(Ω)型経営」の全貌を把握するために、日本的経営の特徴である終身雇用、年功序列、企業別組合などと、市場原理の貫徹度を強める経営の特徴である短期雇用、成果主義、完全子会社化、戦略的提携などの構成概念の変遷を日経BPマーケティング社が発行する「日経ビジネス」の1996年分の雑誌を追加し、1996年から2010年までの変化についてテキスト分析を行った。その結果、日本企業の人事制度の変化としては、成果主義が急速に導入されている中、その導入による問題点も多く指摘され、成果主義の見直しが行われていること、企業間関係の側面では完全子会社化や戦略的提携などに関連する単語の出現頻度が増加傾向であり、日本企業の企業間関係の再構築が行われていることを確認した。
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