2012 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
23653106
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Research Institution | Tokuyama University |
Principal Investigator |
大田 康博 徳山大学, 経済学部, 教授 (90299321)
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Keywords | 中小企業 / 繊維産業 / ファッション / 国際マーケティング / ネットワーク / 制度 |
Research Abstract |
調査は主として日本で行い、フランスでも若干の調査活動を行った。対象者は、繊維素材を開発・生産・販売する日本の中小企業や産業支援組織、そしてフランスの日系ファッションコンサルティング企業およびフランス系ファッション教育機関(近年日本繊維企業とのこらボレーションを進めている)である。 結果、幅広い企業や産業支援組織が国際マーケティングに関わっていることが判明した。また、若手ファッションデザイナーが国産素材への関心を高め、それを活かした海外展開を構想していることも明らかとなった。したがって、繊維素材を手がける企業の国際マーケティングのみでなく、有望な日本人デザイナーと連携した間接的な輸出も視野に入れた上で、日本繊維企業の市場拡大や収益性回線の可能性を検討する必要がある。これらは、次年度の課題として残された。 成果の中間発表としては、昨年度までの日本・イタリアでの調査を踏まえ、欧州経営史学会にて報告した(日本繊維中小企業の国際マーケティングの歴史的背景を述べ、その理論的含意について考察したもの)ことが最大の成果である。同学会では、繊維・ファッション産業の分析視角やさらに探求すべきテーマに関する貴重なコメントが得られただけでなく、イタリア・フランス・アメリカの繊維・ファッション産業研究者と面識を得ることができ、そこから新たな研究成果発表の場が与えられた。これについては、次年度の成果として紹介する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
調査対象や分析視角が定まってきたという点で順調に目的は達成されている。調査目的に添った体系的な情報収集をさらに重ねる必要がある。
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Strategy for Future Research Activity |
次は最終年度にあたるので、論理的にも実証的にも洗練したものへと考察を進めていく必要がある。したがって、調査は、これまで面会した相手を中心に行い、情報の信頼性と内容の豊かさを増していくようにしたい。海外の研究者との研究交流もさらに進めたい。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
国際マーケティングに積極的な企業や産業支援組織への訪問調査が中心となる。ただし、海外での研究成果発表を行う場合は、その支出が最も大きくなると思われる。
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