2011 Fiscal Year Research-status Report
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23653108
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Research Institution | Bunka Gakuen University |
Principal Investigator |
江戸 克栄 文化学園大学, 服装学部, 准教授 (80318592)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 国際情報交流 / ピクチャ調査 / サンプリング / データ収集 |
Research Abstract |
【本研究の目的と実施計画の概要】 本研究の目的は、ピクチャマイニングの体系化とその分析手法の確立していくことである。この研究目的を達成するために、2つの主要研究テーマを設定した。第1のテーマは「ピクチャマイニングの方法論的研究」である。第2のテーマは「ピクチャマイニングの拡張研究」である。これはピクチャマイニングの適用可能性を広げるための研究であり、「定量的ピクチャマイニング」と「大規模ピクチャデータを用いた定性的研究」が具体的研究テーマである。【平成23年度の研究実績と成果】 本研究の第1のテーマである「ピクチャマイニングの方法論的研究」は、「サンプリング・データ収集に関する研究」と「分析手法に関する研究」の2つのサブテーマがある。本年度は、「サンプリング・データ収集に関する研究」を中心に行った。ピクチャ調査の先行研究や既存調査を体系的に整理するとともに、サンプリング方法、データ収集方法、実査方法について研究を行った。連携研究者や研究協力者と研究会を定期的に行い、従来型の調査方法には、統計学に基づいたサンプリング理論、心理学等をベースとした質問紙の作成方法について行い、ピクチャ調査の課題を抽出した。そこからピクチャ調査におけるサンプリングやデータ収集に関する仮説を導き出し、それを検証するための調査を行った。結果として、被験者はデジカメの普及などにより、写真撮影には抵抗がないものの、正しく指示に従える者は、想定より少ないことがわかった。サンプリングやデータ収集のための方法論確立には、追加的研究の必要性が判明した。 また、平成25年度以降に研究を行う「定量的ピクチャマイニング」や「大規模ピクチャデータを用いた定性的研究」のために、画像処理技術において先端的研究を行っている米国シリコンバレーの企業・大学訪問のための視察調査を行い、情報収集を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度の研究目標は、「サンプリング・データ収集に関する研究」を行うことであった。そこで、次のような目標を設定していた。1)ピクチャ調査の先行研究や既存調査の体系的整理、2)サンプリング方法、データ収集方法、実査方法について実証的調査を行う。これらの目標は連携研究者(廣井悠氏)や研究協力者((株)サーベイリサーチセンター落原大治氏および平尾大氏、(株)R&D山崎匡氏)とともに研究会を開くことによって進めていった。より効果的に目標を達成するために、研究チームを調査対象品目ごとに3つの部会に分けた。その3つのチームは、ファッション部会、食品部会、景観部会である。それぞれが、研究会を開催し、3か月に1回程度、合同研究会を開催した(合計21回開催)。そこでは、ピクチャ調査の先行研究やサンプリング方法、データ収集方法等に関する議論が行われた。 7月にはサンプリング方法等を確立するための調査を実施し、それ以降はその分析及び整理を行った。9月には日本感性工学会(平尾氏他)、10月にはファッションビジネス学会(山崎氏他)で口頭発表を行った。次年度に向けて、さらに研究を精査し、論文として発表する予定である。 12月には、平成25年度に向けて定量的ピクチャマイニングを行うために、画像処理技術の最先端技術を保有している米国シリコンバレーへの企業訪問や大学訪問を行った。定量的ピクチャマイニングを発展させるための重要な基礎視察調査であった。 このように当初の目標と比較して、平成23年度は概ね目標を達成できたと考える。
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Strategy for Future Research Activity |
(1)「サンプリング・データ収集方法の研究」の発展的研究とその成果報告 平成23年度で行った研究において、新しい課題が抽出された。サンプリング・データ収集方法を確立するためには、さらなる発展的な研究が必要である。研究会のファッション部会でこの発展的研究を行うことが可能であると判断し、連携研究者(廣井悠氏)及び研究協力者((株)サーベイリサーチセンター落原大治氏および平尾大氏、(株)R&D山崎匡氏)との研究会を行う予定である。この発展的研究には実査が必要であり、これを7月に実施する予定である。研究部会は2カ月に1回開催し、今年度中にファッションビジネス学会の学会誌にて成果を発表する予定である。尚、本年度より、ファッション研究部会に連携研究者として文化学園大学服装学部北方晴子准教授に参加していただくことになっている。 平成23年度に12,343円の未支出金が生じたのは、研究成果が不十分であり、それを論文として投稿することができなかったことに起因するものである。本年度は、論文および報告のための費用として使用する予定である。(2)「ピクチャマイニングの分析手法に関する研究」の推進 当初の研究計画の予定通り、平成24年度は、ピクチャマイニングの分析方法に関する研究を行う時期であり、前述の「サンプリング・データの収集の研究」と並行して進めていく。小規模なピクチャマイニング調査を実施し、実験的に分析手法の確立を目指していく。これらは、食品部会および景観部会を中心におこなっていく予定である。研究部会はそれぞれ、2か月に1回程度の頻度で行い、合同全体研究会を3カ月に1度程度(6月、9月、12月、3月)に実施する予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成24年度の研究費の使用計画は、物品費50,000円、旅費150,000円、人件費・謝金150,000円、その他150,000円の予定であった。物品費は主に既存研究等の資料代、旅費は国内関係企業へのヒアリングや研究会を行うため、人件費・謝金及びその他は小規模調査を行うための必要な費用として計上していた。既存研究や資料が想定していた金額よりも少額で済みそうであること、連携研究者の廣井悠氏が名古屋大学(昨年は東京大学)に本年度より赴任したことによる研究会実施のための旅費が必要なことにより、研究費の使用計画に若干の修正が必要であると考えられる。 文献・資料代として10,000円、旅費140,000円(廣井氏研究会参加のための東京-名古屋往復20,000×4回=80,000円、国内企業ヒアリング:東レ(三島)予定及び研究会3 人×20,000円=60,000円)、その他360,000円(小規模調査のための費用)を平成24年度の研究費の使用計画として修正することを予定している。
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