2012 Fiscal Year Research-status Report
日系小売企業の「台湾経由中国出店モデル」と「中国直接出店モデル」の検証
Project/Area Number |
23653111
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Research Institution | Fukuoka Women's Junior College |
Principal Investigator |
柳 純 福岡女子短期大学, その他部局等, 准教授 (50353181)
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Keywords | 日系小売企業 / 小売国際化 / 海外出店 / 台湾 / 中国 / 現地化 / 商品販売 / 市場適応行動 |
Research Abstract |
本研究は、①台湾経由で中国へ出店している日系小売企業(台湾経由中国出店モデル)と、②中国へ直接出店している日系小売企業(中国直接出店モデル)に着目して、日系小売企業の中国出店行動の2つのパス(道程)を比較分析し、近い将来、日系小売企業が第三国へ向けた小売進出に関する際の理論構築を提示することを目指している。 現在までの研究および実態では、大多数の日系小売企業の中国出店パターンは、上記の②のケースが大多数であるが、両モデルに関しては、文献調査およびヒアリング調査を通じて、出店の実態を把握し、その特徴を抽出しながら理論構築を目指す点に意義がある。 本年度は、前半部分にて前年度(平成23年度)に実施した中国内陸部に展開する日系小売企業である湖南平和堂実業有限公司へのヒアリング調査結果報告を、実践経営学会第55回全国大会、日本産業科学学会九州部会および日本産業科学学会第18回全国大会で行った(国内旅費)。これは成果の公表という意味で重要である。また、報告を行った学会が発行する学会誌への投稿も行った(その他)。前年度と同様に文献図書を中心とした研究資料の収集(物品費)は継続して行った。 後半部分では、とりわけ春休み期間を利用して、台湾関係では台湾貿易センター東京事務所にて入手しにくい資料収集を行うと同時に、大学研究者からの研究情報の提供を得るためにヒアリングを行った(国内旅費)。中国関係では小売企業への実地調査として、南部地域である香港においてユニー香港の楽富店およびイオン香港の太古店等を訪問し、合わせて情報収集も行った(海外旅費)。また、現地の状況把握が重要であることから、ジェトロ香港事務所を訪れ、日系小売企業の進出状況や地場企業との競争関係などの情報を得ることができた(海外旅費)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
調査予定地域および対象企業に対して、調査が完全に実施できているわけではない。その理由として、とりわけ冬季から春季にかけて、中国の北京市を中心としたPM2.5の影響、上海市周辺での鳥インフルエンザの影響により渡航不安が残っているためである。しかし、進捗状況における大きな遅延はなく想定内と考えている。研究資料としての文献収集に関しては、初年度と同様に実施することができている。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度も調査対象とする小売企業への訪問日時の設定や、それにともなう事前準備としての早めのアポイントメント取りを試みることで、最終年度の調査計画をスムーズに進めていきたいと考えている。現在の所、おおむね順調に進展しているが、分析に時間を要することも考えられるので、その点は注意していきたい。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
費目別にみると、次年度(平成25年度)も海外旅費に多くを支出することとなるが、前年度(平成24年度)のように日本国内での情報収集も想定している。謝金に関しては、通訳をお願いする研究協力者である中国の大学の研究者への謝金、また今年度になり、台湾の大学研究者から情報提供や協力を得られそうなので、その台湾の大学研究者への支払も発生することが考えられる。研究資料等を入手するために要する物品費は今年度も継続していく。さらに、年度末には報告書作成費用も予定として計上している
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