2011 Fiscal Year Research-status Report
中国におけるメディアの国際報道と民衆の対外意識に関する研究
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23653119
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
西 茹 北海道大学, メディア・コミュニケーション研究院, 准教授 (50533569)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | 中国 / 国際報道 / 対外意識 |
Research Abstract |
平成23年度は、中国メディアの国際報道の仕組み、報道体制を明らかにするため、現地調査を行った。また、メディアが国際報道を通して、民衆にどのような国際情報を与えたのかを明らかにするため、『環球時報』、『南方週末』、『南方日報』、『参考消息』といった新聞における国際報道について考察を行った。さらに中国の国際報道の体制に影響を与える最も重要な要素として、共産党・政府の国際報道関連の政策をめぐる資料収集にも力を入れた。こうした研究活動の展開のかたわら、国民の対外意識形成に影響を与える国際意識教育という要素も視野に入れ、関連政策の収集も行った。 上述した報道分析や一次資料の収集は本研究を深めていく基盤となり、中国メディアにおける国際報道に影響を与える政策要素の解明において、そして民衆の対外意識の形成におけるメディア、政府および民衆との関連性を検討する新たな視点の提供においても、重要な意味を持っている。また、本研究にあたって、報道機関、メディア研究機関、およびメディア管理機関を訪問し、インタビューを行うといった現地調査は、今後の研究展開にとって信頼できる人的なネットワークの構築にもつながった。 今年度の研究費は、主に上記の研究を遂行するための文献などの資料の購入費、現地調査や学会の参加の旅費に当てられた。 本研究をベースにしてシンポジウムの研究報告や雑誌発表などが成果としてあげられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
(1)『環球時報』、『南方週末』、『南方日報』、『参考消息』といった新聞における 国際報道について考察を行った。 (2)23年度の夏季休業と春季休業の期間を利用して中国の重慶、北京(2回)、台湾で現地調査と資料収集を行った。 (3)本研究の関連政策資料は数多く入手した。 (4)『環球時報』を発行する『人民日報』、中国の最大の国際ニュース提供機関である新華通信社、『財経』(北京)、南方伝媒報業集団などを中心にジャーナリストへのインタビューを行った。
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Strategy for Future Research Activity |
(1)資料収集と分析を引き続き行う。 新聞報道の内容分析の結果を整理し、国際報道や国民の国際意識教育に関する政策の整理と分析を行い、夏季休業期間中に再び現地調査を実施する予定である。(2)研究の総括、研究成果をまとめ、公表する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成23年度において、研究主要対象となった新聞報道についての収集と整理は研究補助者を雇わず行われったため、30443円の未使用額が発生した。その未使用額は今年度において研究補助の謝金として使用する予定である。
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Research Products
(7 results)