2012 Fiscal Year Annual Research Report
中国におけるメディアの国際報道と民衆の対外意識に関する研究
Project/Area Number |
23653119
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
西 茹 北海道大学, メディア・コミュニケーション研究院, 准教授 (50533569)
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Keywords | 中国 / 国際報道 / 対外意識 / 政策 / 国際情報伝達 |
Research Abstract |
平成24年度は、実施した研究は下記の4点にまとめられる。①中国の国際報道と国際情報流通に関する政策、指針を収集し、分析を行ったこと、②北京、西安、広州で大学などの研究機関とメディア現場の聞き取り調査を行い、資料の確認とともに研究や意見の交換などの作業を行ったこと、③国際報道の実態について資料収集と分析を行ったこと、④中国における民衆の対外意識調査や国際情勢教育に関する資料を集め、検討したことである。 今年度の科研費は、①上記の研究を遂行するための文献の購入費、②現地調査や資料整理などの作業を行ってもらう研究補助員への謝金、③学会の参加の旅費に当てられた。 本研究の成果としては、本研究をベースにした学会や雑誌での発表及び査読付き論文の刊行が挙げられる。 本研究は、中国の国際報道に焦点をあて、政府、メディア、大衆との三者の関係から、中国の国際報道及び国際情報伝達のメカニズムを明らかにし、国際情報伝達と民衆の対外意識との関連性を検討したものである。特に中国の国際報道に対する政府の管理政策について、第1次資料に基づき実証的な考察を行ったため、中国における国際報道の管理政策の実態を明らかになった。すなわち建国から60年あまり、国際報道についての管理方針は一貫して管理窓口の一元化、また国際報道を必ず外交政策に奉仕させるという原則を堅持してきた。さらに内外の情報の変化に合わせ、国際情報の処理にあたって「国内の意識」状況を重視する傾向を強めてきた。こうした政策の検討により、国際報道の生産メカニズムと国際情報の提供メカニズムの解明に重要なカギが提供され、長らく国際報道の現状の表面的な考察に止まってきたこれまでの中国国際報道の研究にとって、研究空白が一定程度埋められ、民衆対外意識の行方を分析する上で重要な手がかりを提供した。
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Research Products
(4 results)