2012 Fiscal Year Research-status Report
少子高齢・人口減少社会における高齢者の投票行動に関する社会老年学的研究
Project/Area Number |
23653124
|
Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
小田 利勝 神戸大学, 人間発達環境学研究科, 教授 (90124536)
|
Keywords | 高齢者 / 選挙 / 投票行動 / 神戸市 / 篠山市 |
Research Abstract |
平成24年度は、「選挙と投票、社会意識に関する調査」と題するA4版30頁の調査票を用いた大量調査を郵送で行った。対象は、選挙への関心や投票行動に地域の特性が反映されると考えて、兵庫県内の都市部と郡部の成人男女4,000名とした。各種地域データを用いた分析から、都市部を代表する地域として神戸市を、郡部を代表する地域として篠山市を選定し、それぞれ3,000名と1,000名を確率抽出法で抽出した。神戸市に関しては、9区364投票所の有権者1,261,918名に連番をつけ、100個の乱数を発生させ、得られた乱数に該当する投票所からそれぞれ系統抽出法で無作為に30名を抽出した。同一投票所が該当した場合は、その投票所から該当数×30名を抽出した。最終的には83選挙区から3,000名を抽出した。篠山市に関しては、56投票所の36,548名を母集団と市、同様の方法で20投票所からそれぞれ50名を抽出した。対象者の抽出作業は、神戸市に関しては各区の選挙管理委員会に、篠山市に関しては市の選挙管理委員会に出向いて、選挙人名簿から、氏名、住所、性別、生年月日を転記した。この作業は8月中旬から9月中旬にかけて行った。両市ともに標本集団の性、年齢別構成は母集団のそれとほぼ一致していた。調査期間は2012年9月17日から10月31日である。その期間に一度督促状を送った。 1,487通(回収率37.18%)が回収された(神戸市1,038通<34.6%>、篠山市430通<43.0%>、無回答19通(海外移住、病気、認知障害のため回答できないなど)であった。男性664人(45.2%)、女性796人(54.2%)、無回答8人(0.5%)で、性別の割合は、ほぼ母集団と一致していた。平均年齢58.1歳、標準偏差17.0歳、最年少20歳、最年長99歳であった。現在、次年度は、このデータを分析し、報告する予定である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度に行った既存研究の整理や課題の確認を踏まえて、研究計画2年目の24年度に予定通り大量調査を行うことができた。回収されたデータは、これまでの投票行動研究-とりわけ現在国内外で関心を集めている高齢者の投票行動に関する研究では扱われることのなかった社会老年学的変数を数多く含んでおり、新たな知見が多く得られることが期待できる。
|
Strategy for Future Research Activity |
集められたデータを詳細に分析するとともに、補足的にインタビュー調査を行う。インタビューの対象者は、政治家や高齢者団体など、政治関係の個人や集団、組織を考えている。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
学会大会等において研究発表をするための旅費やインタビューに関わる経費などを考えている。また、分析に必要な最新機器やソフトの購入も考えている。
|