2013 Fiscal Year Annual Research Report
多言語DAISYテキストに基づく「外国人児童学習支援」に向けたアクションリサーチ
Project/Area Number |
23653140
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
小澤 亘 立命館大学, 産業社会学部, 教授 (30268148)
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Keywords | 外国人児童学習支援 / 多言語DAISY教材 / 日本語学習 / 母語学習 / アクション・リサーチ / アイデンティティ・テキスト / 帰国児童支援 |
Research Abstract |
デジタルテキストのユニバーサルデザインであるDAISY図書ツールを使って、外国人児童学習支援システムの構築に向けて、アクション・リサーチを進めきた。 湖南市I公立小学校においては、本年度4月からは特別支援教室の支援も加え、iPadによる学習支援方法を模索した。日本語教室は8月よりポルトガル語が堪能な教員の担当となり、従来開発してきた多言語DAISY教材を使用した日本語・母語(ポルトガル語)の併行指導が始まった。こうした実践を受けて、年度末(2月3日)には、校内研修会を実施。これによって、日本語教室・特別支援教室におけるICTを活用した学習支援の実践事例について、学校内で共有化するとともに、専門家や湖南市教育委員会主事を交えた検討会を行った。 8月1日から14日には、ブラジル・サンパウロ市を訪問。ブラジルに帰国せざるを得なかった日系児童の支援体制について、現地調査を実施した。カエル・プロジェクト、ドリーナ・ファンデーション、日本語センター、日系小学校、日系新聞など関連機関を訪問し、国境を跨る支援に向けた連携関係の構築に当たった。これに先立ち、日英両言語によるインターネットサイト(rits-daisy.com)を立ち上げ、インターネット上で、今まで制作してきた多言語DAISY教材を世界に発信・共有化する体制を整えた。 また、新たに、京都市H公立小学校、K公立中学校をフィールドとして、フィリピン人児童の学習支援システムについても、その構築を開始した。研究者グループ「フィリピン児童と学ぶ会」と連携し、母語(タガログ語・ビサヤ語)を使用した、より広範なネットワークによるマイノリティ言語を母語とする児童の学習支援体制構築の模索を開始した。 こうした研究活動は、サンパウロのニッケイ新聞記事(2013 年8 月10 日)、京都新聞記事(2014 年2 月5 日夕刊)で報道されている。
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Research Products
(3 results)