2012 Fiscal Year Research-status Report
グローバルヘルスに有効性を持つ看護労働政策の基礎研究
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23653145
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Research Institution | Takada Junior College |
Principal Investigator |
山田 亮一 高田短期大学, その他部局等, 教授 (90442243)
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Keywords | フィリピン大学 / フィリピン看護協会 / オックスフォード大学 / イギリス看護協会 / トロント大学 / カナダ看護協会 |
Research Abstract |
昨年度(平成23年)の研究対象は1990年から2010年頃を期間として、「フィリピンからイギリス」へと移動するヘルスケア労働力(看護労働力を中心とする)について、移民政策を含め研究を行った。平成24年度も引き続き調査研究を進めるため、イギリス看護協会や関係する大学等を訪問し、情報の収集に努めた。さらに、比較対照をおこなうため、「フィリピンからカナダ」への看護労働力移動について調査研究するため、看護協会や関係する大学等を訪問し、情報の収集と基礎調査を実施した。今まで、カナダへの看護労働移動については文献検索が中心であったが、資料収集及び関係機関の関係者からの情報も一部収集できた。また、国際的な労働調整機関でもあるWHO(国際保健機関)、ILO(国際労働機関)、ICN(国際看護師協会)からの情報収集にも努めた。これらの活動を通じて看護労働力移動が各国の「グローバルヘルス」に効果がある方向に作用しているか検証する基礎となる情報と資料収集が主な実績と言える。フィリピンからイギリスに移動するフィリピン看護師は2005年以降は激減しており、一部はヘルパーとして移動はあるものの、2000年頃と様相が一変している。一方、カナダはイギリスほどの大きな変化はないものの、看護労働力移動は減少傾向にある。ただ、ヘルパーとしての労働力移動は大きな変化はない。 今後、これらの情報や資料を基として比較検討する年代、対象とする基準の設定を決めて「グローバルヘルスに有効な看護労働政策」について検証していくことになる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
フィリピン・イギリス(イングランド)・カナダ等を訪問し、情報収集に努めていることで看護労働力移動の現状、看護労働移動政策(移民政策)について把握しているが、情報交換を予定している大学・看護協会の関係者との情報交換が計画したほど進んでいない。現在の状況下では研究を進めるうえで『時間』と『予算』が不足している。専門職や研究者からのアドバイスは各国の課題を知る上でも、資料や情報の価値を決定するうえでも有効な情報となるからだ。今後各国の関係機関の関係者のアドバイスを受けて、「グローバルへルスに有効性を持つ看護労働政策」を検証することになる。
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Strategy for Future Research Activity |
平成24年に訪問したカナダ(大学・看護協会・カナダ在住フィリピン人団体)からの情報収集に努める。さらに、情報の価値を高めるために各国関係大学・関係機関等の専門職・研究者からのアドバイスを求めたいと考えている。フィリピン人ヘルスワーカー(看護師)として移動するイギリス及びカナダを比較検討するため、上記の活動、及び国際機関の資料をもとに、「グローバルヘルスに有効性を持つ看護労働政策」となるために早急に視点や基準作りをすすめ、比較検討できるように研究を進めたい。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成24年度の成果を基に、引き続きフィリピン・イギリス・カナダ・国際関係機関及び各々の専門職、研究者からの情報収集に努める。その中でもフィリピン人団体、さらに研究が不足しているカナダを再度訪問し、現地の情報収集に努めることになる。 研究の成果を公表するための論文作成、研究発表を行っていきたい。また、それ等の成果をまとめた冊子を作成していきたい。
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