2011 Fiscal Year Research-status Report
クライミングにおける視覚障害者とのコミュニケーションの多様性に関する研究
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23653147
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
森 祐司 大阪大学, 言語文化研究科(研究院), 教授 (80182210)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | クライミング / 視覚障害 / コミュニケーション |
Research Abstract |
本研究は、ロッククライミングという非日常的活動の場で視覚障害者と晴眼者がともにロッククライミングを学び楽しむ場を提供するNPO活動を中心に参与観察による調査を行い、視覚障害者同士、および視覚障害者と晴眼者が、クライミングを行う際に取るコミュニケーションの諸相を記述・分析することで、非言語的コミュニケーション(身振り、まなざし等)が制限された環境における言語的コミュニケーションの限界を明らかにするとともに、現場での工夫による視覚障害者と晴眼者との多様なコミュニケーションの可能性を発見し障害者福祉に貢献することにある。 研究初年度にあたる平成23年度は、予備調査として、視覚障害者が参加できるフリークライミングスクールを主催し、障害者やその関係者がフリークライミングがもたらす可能性を体験・理解することを目的としたNPO法人モンキーマジック代表の小林幸一郎氏とコンタクトを取り、取材調査の許可を得るとともに、9月23日から25日にかけて長野県周り目平キャンプ場付近の通称「小川山クライミングエリア」において、当該クライミングスクールに参加し、データを収集するとともに、ラポール形成を行った。 文献調査に関しては、鈴木正行『視覚障害者とノーマライゼーション―視覚障害者の障害受容と社会環境の変遷 「盲人たちの自叙伝」を視座にして』を中心に視覚障害者の「ライフ・ヒストリー」についてエスノグラフィー作成のための比較資料を検討し、Hayley Fitzgerald, Disability and Youth Sport等の障碍者スポーツ一般に関する従来の理論を検討した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究は、視覚障害者と晴眼者がともにロッククライミングを実践する場に参加し、参与観察による調査を行い、視覚障害者同士、および視覚障害者と晴眼者が、クライミングを行う際に取るコミュニケーションの諸相を記述・分析することを主眼とするが、本年度は、東日本大震災の影響による研究費予算の不明確な執行状態が続いたため、本研究の調査を重点的に行える初夏から秋にかけての一番大切な時期に計画を立てることができなかった。そのため、3年間の研究期間中に平均して行おうと考えていた備品の整備や文献資料収集を中心的に行い、それなりの成果は上げてきたが、調査については平成24年度以降にかなり集中的に行わなければならない状態となっている。
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Strategy for Future Research Activity |
平成24年度については、4月から7月までの比較的早い段階で、前年度に不十分に終わった予備調査(ラポール形成および研究対象の特定化)を行い、調査項目の設定を完了したうえで、速やかに本調査に入る予定である。本調査では、日本における視覚障害者やそれ以外の障害者のアウトドア活動の状況を調査し、障害者のアウトドア活動、レクリエーション参加に関する問題点を明らかにする予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
本年度執行できなかった15万円ほどの研究費は、春期、夏期前半での補足的予備調査に充てる。平成24年度請求分の研究費については、夏期から冬期におよぶフィールド調査を中心に執行する予定である。
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