2013 Fiscal Year Annual Research Report
物質使用障害治療のエビデンスに基づく家族支援のあり方についての研究
Project/Area Number |
23653153
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Research Institution | Kyoto Prefectural University |
Principal Investigator |
山野 尚美 京都府立大学, 公共政策学部, 准教授 (90268748)
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Keywords | social work / family support / adult drug user / substance use disorder / drug dependence / drug abuse / addiction / adult patient |
Research Abstract |
前年度までの研究成果を踏まえて、薬物依存者の家族とりわけ成人した薬物依存者の家族に焦点を当てた、ソーシャルワークの視点からの相談・支援の手引きを作成した。 冊子の特徴としては、薬物依存が精神作用物質の反復的使用によって生じる精神障害であることを重視した、次の点を挙げることができる。①薬物依存に関する知識の提供や薬物依存者への対応についての解説等にあたっては、家族の態度・行動と薬物の再使用が過度に関連づけられることがないよう配慮されることの必要性を強調していること ②初回面接(電話相談を含む)の重要性とその効果的な実施にあたっての支援者自身の物質使用障害(薬物依存・薬物乱用)についての認識に、誤解や偏見がないか充分に自己覚知がなされていることの必要性を指摘していること ③家族による薬物依存者に対する適切な対応について教示する際にそれらがあたかも唯一無二のものであるかのような伝え方をしたり、ごく詳細な事柄についてまで「べき・べからず」を示したりすることのリスクについて指摘していること、などである。この他、家族支援の各段階における支援目標と課題等についても、具体的に示した。
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